ハンカチ落とし
皆「ジャンケンぽん!」
公園に6人くらいの幼児の声が響き渡った。
A「あ。負けちゃった。」
Aはチョキの手を見下ろして、(はぁ、パーにしておけばよかった。)と思った。
B「じゃ、A君鬼ね。」
Aが持ってるのはハンカチだ。
ハンカチ落としをするのだろう。
下を向いて座っている6人の子供を見渡し、
A(よし、この子にしよう。)
とハンカチを落とす男の子を決めた。AはAと同じ様な髪型をした男の子にハンカチを落とした。
そして走りだそうとしたが、男の子は来ない。
気づいていないのかと思い、背中を叩くが、反応がない様だ。
そう思うと、いきなり男の子がこちらを振り返ってこう言った。
男の子「ぼ…くの…勝ち…だ、ねぇ」
Aは何を見たのかは分からないが、とても恐ろしいものを見た様な目で叫んだ。
A「ギャァァァァ‼︎」
Aの叫び声は、次第に小さくなった。
叫び声を聞いた友達は驚いて口々にどうしたの?、早くハンカチ落として。だが、Aは答えなかった。
男の子「だ…い…じょう…ぶ…」
男の子はAとそっくりな顔と声でそう答えた。
男の子「は…やく、や…ろ?」
男の子は、あははははは。と笑いながら、Bの姿に変わって、Bの掌にハンカチを落とした。
Bの叫び声が聞こえた気がするなとC君は不思議に思った。