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25 嫁さんとお昼の出来事

「面白かったですね」


映画を観終わってから、近くのファミレスで昼食を取りながらさっきの映画の話をする。本当にファミレスで良かったのかわからないけど、美星さんがここがいいと言うのでいいのだろう。


「はい。でも、やっぱり俺は最後はハッピーエンドの方が好きですね」

「実は私もなんです。若い頃は悲恋の方が好きだったんですが……最近はハッピーエンドの方が観てて安心します」


なんとなく感性が合うようで良かった。映画は感性が違うとデートには不向きとどこかのサイトで見たけど……その心配はなさそうで良かった。


「清隆さん。もし私があの映画のヒロインみたいに不治の病にかかって死ぬことになったらどうします?」

「……最後までそばにいたいです。えっと、あんまり想定したくないですが……俺は美星さんの隣に最後までいたいです」

「すみません。少し不謹慎でしたね。でも……嬉しいです」


そんな風に話していると注文したメニューが届く。俺は定食、美星さんはパスタとそれぞれ美味しそうだけど、美星さんはそれに手をつける前に言った。


「ちなみに私が逆の立場だったとしても、多分清隆さんと同じ答えになりますよ」


………本当に美星さんは狡い人だと思う。俺だって美星さんへの気持ちは負けてないと思うが……俺の事をここまで考えてくれるのも美星さんくらいだろうから尚更そう思う。


「あ、そうそう。この後は少しお店回りませんか?」

「わかりました。どこか行きたいところありますか?」

「何軒かありますが……お付き合いいただけますか?」

「もちろんです。欲しいものがあれば遠慮なくどうぞ」


そう言うと美星さんは苦笑して言った。


「清隆さん。私は別に貢がせるために誘ってはいませんよ」

「でも、俺もその……美星さんに日頃のお礼をしたいというか……」

「うーん……でしたら、別の形でお願いします。例えば……はい。あーんです」


そう言いながらパスタを差し出してくる美星さん。反射的に食べると今度は美星さんが口を開けて待っていてので条件反射で食べさせていた。


「私、こういう触れ合いの方が好きなんです。覚えておいてくださいね?」

「……わかりました」

「あとはそうですね……私のこと呼び捨てにしたりとかも嬉しいです」

「それは……もう少し待ってください」


なかなかハードルが高いのでそう言うと美星さんはくすりと笑って言った。


「期待してます。じゃあ、ひとまずは私と食べさせ合いっこしてくださいね?」


そうして2人で交互にあーんをして食べさせ合うことになったが……バカップルっぽく見えたかな?




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