謎のキモチ
[謎のキモチ]
恋ってなんだろう。自慢ではないけれど私はこの高校2年の今まで誰かを好きになった事がない。
まぁ私があまり男子と関わろうとしていないのとあるのかもしれないけれど…
そんな私がまさかこんな事を感じるなんて…
言い忘れてたけれど私は天野 美緒、まぁ自己紹介をするほどなにかがあるわけでもなくそこらにいる静かな女子ぐらいの存在だと思ってくれたら…
「ねー、美緒ー、帰りに本屋寄ってもいい?」
休み時間に自席でどうでもいいことを考えながらぼーっとしている私に話しかけてきたのは中学からの友達の奈歩だ。
少しわがままだけどこんな内気な私に中学からずっと一緒にいてくれる辺りいい人だ。
実際一緒にいて居心地がいい。
「あぁ、いいよ、その代わり飲み物でも奢ってもらおうかな。」
「なにそれ、お高い女だなぁ。」
そんないつも通りの冗談交じりの会話をしていると斜め前の男子、水野 俊が友人に呼ばれて立ち上がった。
私はついその水野を目で追ってしまった。
「どうしたの?急に水野の方なんて見て。」
奈歩が不思議そうな顔をしながら聞いてきた
「別になんにもないよ。」
「もしかして水野を気になってるとか?」
…?
奈歩を発言に私は理解できずに首をかしげる
「ま、そんなことないか。美緒は男子に興味ないもんね。」
そう言って納得されると休み時間の終わりを告げるチャイムが鳴る
「じゃあ、後でね」
そういってパタパタと小走りで奈歩は自席に戻っていった。
授業中、さっきの奈歩の発言が妙に自分の中で気になっていた。
私、そんなに水野の事見てたのかな…
水野は私から見て斜め前の席の男子だ。
私は基本男子は気にしてないからあんまりわからないけどたまに挨拶とか軽い世間話とかしてくれる辺りいい人なんだろう。
けどなんで私はふと見てしまったんだろう…
頭の片隅にそんな疑問を思いながら意識を授業へと戻した