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悲しみの過去

今回は会話文が多いですが、ご了承ください!

「へぇ〜、意外と勉強家なんだね、アル君は」


「意外とってなんだよ意外とって」


ロレスはアハハと小さく笑った


「なぁ、俺の事を教えたんだから、ロレスのも教えてくれないか?」


「僕のはそんなに面白いものじゃないけどなぁ」


いや、そもそも人の過去に面白いもなにも無いだろ

「それでも良いぞ」


「そっか……じゃあ話すね」

そう言ってロレスは自分の過去について話し始めた


「僕はお父さんとお母さんとそれから妹の四人家族で、ここから少し離れた村に住んでるんだ、まぁアル君の村と同じくらいかな?お父さんは鍛治士でお母さんはその手伝いをしてるんだ。村の人達も優しい人がいて、凄く楽しかったな……けどさ……」

するとロレスの頰に涙が流れていた


「ろ、ロレス、大丈夫か?」


「あ、ゴメンね、大丈夫だから」


「そっか……」

聞いた俺も悪かったな……


ロレスは涙を拭うと再び話し始めた


「けど、やっぱりそう上手くはいかないよね……僕の魔法を知ってから、村の人達は僕をいない者みたいに無視したり偶に殴られたりもしたかな……怖かったし寂しかったよ……でもさ、仕方ないよね、大罪魔法を手にした僕が悪いんだしさ、自業自得だよね……自分なんていらないんだって、いなくてもいいんだって思うようになったのはその時からかな……」


俺も村にいた時はそんな事もあったが、ロレス程ではなかったな……今思うとそれが異常なのかもな


「それでもさ僕の家族は、こんな僕が良いって言ってくれてさ、魔法学校にまで入れてくれたんだ」


俺はロレスの方を向いた

「今でもお前は自分がいらない存在だと思ってるのか?」


ロレスは下に俯きながら言った

「まぁね、毎日思ってるよ、僕はいらないんだって、必要ないんだって……」


俺は少し間を置くと、ロレスの目の前に移動した

「なぁロレス、確かにお前はいらない存在だと思われてるかもしれない、だが、この世に一人でも自分を必要としてくれている人がいるなら、そんな事思っちゃダメだ、綺麗事かもしれないがお前を……ロレス・アンベルクを必要としてくれる人達の為にも自分自身の為にも、今は生きろ!俺だってお前が必要だ、お前がいなきゃ寮に着いてなかったかもしれないし、今後もお前を頼ると思う、俺にはお前が必要だ、これからも頼らせて欲しい、だからさ、そんな悲しい事言うなよ……」


ロレスは涙を流しながら俺の顔を見て言った

「もう、そんなこと言うからまた泣いちゃうじゃん、しょうがないなアル君は……分かった、家族や自分、アル君の為にも頑張ってみるよ、これからもよろしくね、アル君!」


「あぁ!」


そう言って俺らはお互いに笑い合った

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