朝食の時
食堂は一階の玄関から見て右側の部屋にあった
中に入ると、木造の長机が二つ置かれており、一つの長机を挟むように長椅子が置かれていた
俺らが着く前に来ていたのか、奥の長机の端に一人の女の子が朝食を食べていた
木皿の上には少し黒くなった丸パンとレタスのようなものがそれぞれのっていた
彼女は俺らの方をチラリと見ると、すぐに朝食へと視線を戻した
あの子も大罪魔法か……てか、料理苦手なのか?
「アル君、どうしたの?」
「いや、なんでもない」
俺らはキッチンへと入っていった
「出来た!」
数十分後、ようやく二人で朝食が完成した
作ったのは、ジャガイモに似た野菜を使ったスープと焼き魚、丸パンだ
「良い感じに出来たな」
「早く食べよ!」
俺らはキッチンを出て、先程の女の子とは別の長机で食べ始めた
彼女を見ると中々飲み込めないのか、ほとんど進んでいなかった
……ハァ、しょうがないか
俺は椅子から立ち上がると、スープと半分にした丸パンを持って彼女の前に置いた
「ほら、これでも食べるか?」
彼女は少し頬を染めながら俺を見た
「あ、ありがと」
彼女はそう言って、食べ始めた
「で、君、名前は?」
「私はオリバ・カナン、魔法は憤怒」
憤怒か……どんな魔法か見せてもらいたいが、流石に今はやめとくか
「俺はジセイド・アルベル、傲慢で、あいつはロレス・アンベルク、色欲だ、よろしくな」
「よろしく……」
彼女はそう言うと、すぐにまた食べ始めた
俺も戻るか
俺は、元の位置に戻った
「アル君、僕の食べよ」
ロレスは自分の分を俺とロレスの真ん中に寄せた
「ありがとな」
さて、これを食べ終わったら、父さんの所に行ってみるかな
今回も読んで頂きありがとうございました!
料理シーンも書ければ良かったのですけどね……ハハハ……
では、次回も読んでくださると嬉しいです!