第12話『ジュリア・ハプニング』
今回はちょっとエロティックな場面・描写が出てきます(期待はしないでください)。
もし、女性の方が読んでいたら申し訳ありません。
スマートフォンの方は横向きにすることを推奨します。
街の中でジリウスは何かを思い出したかのように声を上げた。
「ライト、忘れていたんだが」
「えっ?まだ何か企んでるの?」
露骨に嫌な返事をしたのは先程、受付さんとグルになったジリウスに騙されたのはまだ許してはいない。
でも、依頼を受けると言ったからにはきちんと仕事をこなすつもりではある。
「今日起こしに行くのを忘れていたんだ…」
「へっ?」
その言葉からジリウスに連れられて、この街では高価な宿屋へと来ていた。
上位の探索者らしく、ここにジリウスとジュリアは泊まっているらしい。
普通の宿屋が一泊・銀貨1枚に対して、こちらは一泊・金貨1枚と普通よりも10倍の値段だ。
中級種専門のチームとして活動しているのも頷ける。
ここでライトはある妄言じみたこと疑問にした。
(もちろんお互いの部屋は別々はずだよね。一緒の部屋だったら、ジリウスの神経を疑うよ。違うよね?うん、違うよね…まさか、いくらジリウスでもね…)
1人でそんな無意味な自問自答をしている。
夫婦でもないのに一緒というのは問題ではないかとチェリーな青年心が主張する。そんな悪戦苦闘をしている様子に「何やってんだ?」と興味もなさそうにジリウスは宿屋の中へと入っていく。
自問自答をしていたライトは大人しく随伴して続いた。
中は入ると、まず目に映ったのは床に敷かれた真紅な赤い絨毯。
古風漂わせるフィジタル大森林に生える木で作られた古時計。
受付に向かうと、上には煙りを纏いし幻鹿の首の剥製が掲げられていた。
目立っているのはこれくらいだろうか。他は普通の宿屋とほとんど同じで、違うのは豪華な椅子やテーブルなどが配置されていることくらいだろうか。
受付から預けていた自分の鍵を受け取り、部屋へと向かう。
(1つしか、受け取らない。まさか、そんな……)
衝撃的な出来事に足取りを重くしつつ、同じ方向に歩いていく。
鍵穴を回し、ドアを開ける。中は窓際に1人用のソファ、円形の机があり、反対側はシングルベッドが置いてある。その下に荷物を置いてある。
部屋の中はきちんと整理されていた。見かけによらず、綺麗好きようだ。
(良かった、ジュリアさんと一緒の部屋じゃなくて。ジリウスの人権は守られたよ。鈍感な健全野郎に限ってありえないよね。疑って、ごめん)
自分の世界に入っているライトに気づくこともなく、ジリウスは机に向かう。
机の上には朝刊と宿のこの部屋以外の鍵が置いてある。
鍵を手に取ると、ライトの方へ投げる。
「ジュリアの部屋に行って、起こしてきてくれ」
「う……ん!!?」
「俺は戻ってきたら剣を磨こうと思ってたんでな。代わりにいってきてくれないか?」
ライトは青年だった。もう1度言おう、青年だったのだ。
それも中等部を卒業してからは、女性と絡むというのは、リナと受付さんくらいなものだ。
ここで妹が出てくる時点でかなり不味い。
18歳の純白の青年は女性の接し方が分からなかった。
(女性の部屋に入っても大丈夫だろうか?しかし、ジリウスが行ってきてくれと頼むくらいなのだから何もやましいことはないのだろうし。なら、起こしに行こうかな)
「ジュリアさんの部屋はどこにあるの?」
「俺の部屋の真向かいだ」
「了解」
「あと、足元に気をつけろよ。起こしたら、すぐに帰って来い」
「ん?了解?」
(何故に足元か……ああ、ジュリアさんは魔法使いだ。薬品や術式などが散乱しているから、危ないということなんだろう。そういうことなら別に俺は大丈夫だと思うんだけど…すぐに帰って来いかーまあ、挨拶したらそうするつもりだけど)
どこか引っかかる言葉に朝のためか、短慮の頭ではなく今は体が動かす。
部屋を出て、真向かいのドアの鍵を開ける。ドアを開けると、部屋の中は薄暗い。カーテンが閉まっているからなのかよく見えない。
同じ宿であるから、造りも同じだろうとは思う。
(うーん、まずは明るくした方がいいかな)
まずはカーテンを開けようと窓の方向に歩く。
足に何かが纏わりついたので掴んでみると小さい布地だった。
ジュリアさんの私物なので机に置き、カーテンを開けた。
光が注がれ、部屋の中を照らしていた。
「んっ…ジリィー、おはよ~う~」
ベッドの方からジュリアさんの欠伸混じりの声がする。
どうやら、太陽の光を浴びることで起きたようだ。
毎日ジリウスはこれで起こしているのだろうなと感じさせた。
まだ、毛布に包まっているジュリアさんに挨拶をする。
「おはようございます、ジュリアさん」
「え~と、あれ?ライト君かな。何でここに?」
「ジリウスが代わりに起こしてきてくれと」
「そうなの~ね~。よいしょっと」
毛布を放り、ベッドから這い出てきたジュリアさんは何も纏っていなかった。
うん、そのままの意味でだ。
いつも黒いローブで隠された肌は白く、豊満な上の2つのそれは凄まじい破壊力を持っている。
その露になった体を見てしまったライト(主にリナのまな板と比べてしまい、すごく申し訳なくなってしまった)は窓の方向に視線をずらす。
(ジリウスゥ!!こんなこと言ってなかったよね!!)
鼻から鮮血を流しながら、ジリウスの言っていたことを脳内再生。
足元が危ない→ジュリアさんの服
早く帰って来い→服を脱いでいるから
の二つから考えるとさ、さっきの布地ってさ……
「ライト君~その辺りの私のパンツある?見当たらないのよ」
「さ、さあ?俺も分かりませんね。ジリウスの部屋に戻っています」
「昨日そんなところに置いたかしら。そこのパンツ取ってくれる?」
緊急注意の警報が鳴らされたの如く、衝撃が走る。
(やばいぞ、これは)
素直に取ったら、ライトはヌーディーな魔法使いの女性に渡すことになる。
想像しただけで、ライトはただのHENTAIになる。
(ここはやはり逃げるべきだな。ごめん、ジュリアさん。何で謝ってるんだろうか)
一目散に逃げるようと、駆け足で出て行く。
しかし、焦りすぎた。
足を交差させ、体勢を崩してしまった。
そのまま転倒していった先に何か柔らかい弾力が顔を包む。
今までに触ったことがない感覚だった。
それの正体はジュリアさんの一言で理解した。
「ライト君~、君も男の子なんだ…ね。けど、初めてはもう決めている人がいるから、その…」
「いやいやいや、違います違います。誤解ですって」
すぐに離れ、弁明の言葉を述べながら、地に頭を擦り付ける。
そんなライトに畳み掛けるように、優しく吸い付くような声で耳元に囁く。
「それでもしたいなら……させてあげるけど?」
その言葉を聞いたライトは素早く体を起こすと、顔を真っ赤にさせて、今度こそ部屋を出て行くことしかできなかった。
その様子を見ていた魔法使いは上機嫌だった。
「今度あの鈍感に使ってみよう♪」
そう言って微笑むと、大森林に行く準備を始めた。
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