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『ハート★ブレイカー』   作者: 月野瀬 蓮
3/7

未来世界『科学帝国(ジパング)1』

時は20XX年…。


科学がより発展した世界に、


もはや大自然と呼べるところは存在しない。


空まで届きそうなほどの


摩天楼ビル群が陳列する土地。


密集した住宅街、数え切れない娯楽施設アミューズメント


所せましと並ぶ商店街、


溢れかえる人の波……。


どこもかしこも、言わずとしれた都会だ。


科学の進歩とは、


実に色んな意味で恐ろしいモノで、


人の心理は、こういうもので


すぐに変わってしまう。


かつて、「神様仏様」などと拝まれた


その神の存在は一体どこへやら…。


この時代の世界の人間に、


迷信やオカルトに占い、宗教や神


といったものを信じる者などいない。


ましてやこの時代ですでに、


世界屈指の最先端の科学技術テクノロジーを誇る、


アジア最東の先進国『日本』においては、


ありえないと断言しよう。


この科学帝国ジパングと称されてる国


『日本』の国民の中、


ある哲学者は


心霊現象の徹底的解析の論文を発表し、


ある心理学者は


人類の道徳モラルを問う本を著書し、


世界でベストセラーになったという。


しかし、この時代の日本は


とどまるところを知らず、


近来起こるであろう大地震に備え、


災害予知機能システムの全国配備に加え、


今度は災害を未然に防ぐ装置を作ろうという


前代未聞、空前絶後の挑戦を


続けているのだから、


宗教信者などがいるはずがない。


…いるはずないのだが…、


別の意味での信者はいる。


まあ、ようするに…


そういうのに興味を持つ連中は、


少なからず存在しているという事だ。


しかし、時代は変わった。 


昔の考え方は通用しない。


その証拠に、この世界には


神社・寺院・教会を見かける事はまずない。


もちろん、世界文化遺産とやらに


登録されているのを除けばの話だ。


たいていの古びた建物のほとんどは、


全て無に返し更地にした後に、


コンクリートを塗り固めて


住宅街の土地に利用される。


……これは実に不可解なところである。


なぜ、こんなことが起こるのか?


……単純明快に言うならば、


日本の教育指導が変わった


と言えばいいのだろうか?


『目に見える物こそが全てである』という、


謎の教育方針とやらに…。


かつて、紙の教科書を


始めとしていた教育も、


現在いまはパソコンの


インターネットを通じての


勉強に移行シフトし、


それが主流となっている。


まあ、政府は日本の教育を、


『脱ゆとり教育』と称して歌っているが、


僕のような生徒の立場から


言わせてもらえれば、実に迷惑な話だ。


何が脱ゆとり教育だ、


思い上がりもはなはだしい。


実際は脱ゆとりから


大幅に度が過ぎた教育だ。


科学帝国ジパング』の二つ名で


呼ばれる国になってから、


日本の教育方針は


とんでもないものになったのは


まず間違いない。


理由はようするに、


大人の事情というやつなのだろう。


少しでも長く世界の頂点トップ


に立っていたいという富み欲しさに、


教育レベルを引き上げたって


感じな理由だったりするかもしれない。


そこらへんの事情は踏まえた上で、


さらに百歩譲ったとして、だ…。


なぜ、僕のような生徒が教育戦争とやらに


巻き込まれなければならないのだ?


大人の事情とやらに


介入するつもりは更々ないが、


やはり僕の思う


その他諸々(もろもろ)の考えは、


子供に対してキツすぎないかという事だ。


その事で、生徒の間ではこの教育の事を、


『強制・暴力的教育』


__『CV教育』__と呼んでいる。

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