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最後の大会  作者: 雪 渓
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 【前編】

 部活は、卓球部の話です。見た目があまり派手なスポーツではないので、分りにくいかもしれませんが読んでいただけるとうれしいです。

 

 

「以上で開会式を終わります。解散! 」


 開会式が終わり、俺たち、は自分たちの荷物がある2階の観客席に戻った。今日の大会は、まず4チームの中でリーグ戦をして、上位2チームが決勝トーナメントに進むという形式だ。リーグの数は、A~Hまでの8グループ。つまり決勝トーナメントに上がった時点で、ベスト16位、そして4回勝てば優勝だ。

 そして俺たちの属すのはAリーグで、試合は2,4,5試合目だ。

 

 一試合目、俺は腹が減ってしまっていたので、持ってきたスナックパンを食べながら、みんなと相手チームの試合を見に行った。目的は俺たちのリーグトップの龍実中(りゅうじつちゅう)を見に行くことだ。そこには昨日あった個人戦で優勝した選手もいる。

 結果は、3対0のストレート勝ち。勝負は一瞬で着いてしまった。二枚看板のダブルエースと、ダブルスで、すべてストレート勝ち。相手が弱かったこともあるが、さすが龍実中(しゅうじつちゅう)という感じだ。俺たちはあれに勝たなくてはいけない。


 少しの間があってAリーグ二試合目、いよいよ俺たちの出番だ。相手は奈島中(なしまちゅう)特に特筆する選手はいないが、平均的にみんなできるというチームだ。結果は3対1で俺たちの勝ち。途中危ない試合もあったが、みんなよく頑張ってくれた。

 特に3番ダブルスの、嵩本(たかもと) 龍矢(たつや)遅田(おそた) 翔騎(しょうき)ペアが、強い相手だったが、よく粘って勝ってくれた。どうやら今日は調子がいいみたいだ。


 Aリーグ3試合目の間に30分ほどの休憩を挟んで、Aリーグ4試合目の俺たちの試合。相手は、小金中(こがねちゅう)。ここは、さっき龍実中(りゅうじつちゅう)がやった、リーグ内の最弱校だ。もちろん3対0のストレート勝ち。龍実中(りゅうじつちゅう)のように選手全員オールストレートとは、いかなかったけど、結構余裕で倒せてしまった。

 

 ちなみに、俺たち玉聖中(ぎょくせいちゅう)龍実中(りゅうじつちゅう)と同じく、俺、守童(しゅどう) 拳太(けんた)御傍(おばた) 蛇駆夜(たくや)の二枚看板でやっている。

 

 俺は、生徒会などで練習に行けない時間があるから、サーブをどこに打つか。相手の弱点はどこか。決定的に技術力では遅れをとっているので、こういった面で、その分の技術力を、補っている。これが俺のスタイルだ。

 だが、レベルが上がれば、みんな考えるプレーをしてくる。だから、これが「付け焼刃」であることは、わかっているつもりだ。

 だから、頭のいい上手い選手。例えば、小さい時からやっていて、卓球の極意を教えられていて技術のある子には勝てない。でも、逆に少々上手くても、あまり頭の回らない人には、勝つ自身はある。


 もう一人の蛇駆夜(たくや)は、個人戦の成績はいつも俺より上で、試合運びも上手いし実力もある。ドライブ、小技、何でもできて、頼れるエースだ。ただ性格が悪いから、みんなからは敬遠されがちだ。

 そしてこの後ろに、雄野 舞姫(おの まき)と浜星(はまぼし) 鋼平(こうへい)がいる。

 そして俺はキャプテン。去年の悔しい経験を生かせと、先輩が推薦してくれた。でも、実は生徒会にも入れられて、毎日練習に行くことはできなかた。そんな中でも、部活の仲間は俺にとやかく言うことなく、親しく接してくれた。

 そんなみんなに報いるためにも、自分の仕事はしっかりとこなしていくつもりだ。


 Aリーグ5試合目。ついに龍実中(しゅうじつちゅう)との試合。ここに勝つかどうかで、決勝トーナメントでの勝ち上がりやすさが変わってくる。二位通過になると、トーナメント一回戦目で多リーグの1位チームとあたってしまうため、負ける確立が高くなってしまうのだ。

 

 そして、今回のオーダーは、以下のようになった。


1番        御傍(おばた) 蛇駆夜(たくや)

2番        浜星(はまぼし) 鋼平(こうへい)

3番ダブルス   嵩本(たかもと) 龍矢(たつや)

          遅田(おそた) 翔騎(しょうき)

4番        守童(しゅどう) 拳太(けんた)

5番        雄野(おの) 舞姫(まき)


 そして、試合が始まる。

 トップの蛇駆夜(たくや)は、相手のエース、(はた) 功貴(こうき)と当たってしまった。蛇駆夜(たくや)も十分に強いのだが、さすがに昨日の大会の優勝者には敵わなかった。結局1対3で負けてしまった。それでも二セット目を取って、彼なりには満足したらしい。

 二番手の鋼平(こうへい)は、フルセットの末勝利した。これで1対1だ。

 3番ダブルス。龍矢(たつや)翔騎(しょうき)のペアは、ストレートで勝利した。どうやら相手の弱点を上手く攻め立てたらしい。

 そして4番の俺。1セット目は様子見で、色々と試していたら落としてしまった。まあ、これはいつものことで、問題はここから。さっきのセットでみつけた相手の弱点にサーブを打ちこみながら、レシーブミスを誘いかえってきた簡単な玉をドライブで片付ける。


 勝負の時は、いくら勝っていても油断したらすぐに負けてしまう。


 これが俺の卓球に試合についての考えだ。いみはその通りだ。大量リードで勝っていても、油断している時にざっくり点数を稼がれてしまう。

 これをの応用が俺の戦い方。先にリードを掴んだ方が良いのはそうなのだが、実際の試合はそうもいかない。どうしても負け越すことはある。

 でも、いくら上手くても相手は中学生。それに4点とか5点リードしたら、普通は少しぐらい気が抜けてしまう。そこで俺が敵の弱点をつきいて得点していき、点数が近くづいていくと逆転されるかもしれないという焦りが出てくる。しかも、自分の不得意なところにしかボールは飛んでこない。いつもならギリギリ取れるかもしれないボールでも、焦りと緊張感のせいでとることができない。そして、さらに焦ってしまう。

 この悪循環に相手を上手く陥れるのだ。

 なんという悪質な作戦だろうかとたまに自分でも思う。でも、勝つことが最優先だ。それに、ある程度の実力は必要になるし、そのことばかり考えていては、計算が狂った時に自分に悪循環が回ってきてしまう。そして、ちっやい頃からやってる子は、この悪循環に陥らないように特訓しているから技術面で劣っていると勝てない。とか、結構欠点も多い。

 とはいえ、今回の相手は、そう強くなかったのでそのあとのセットは3連取で勝利した。

 

 「玉聖(ぎょくせい)中学校 対 龍実(しゅうじつ)中学校の試合は、3対1で玉聖(ぎょくせい)中学校の勝です気をつけ礼!」


 「「ありがとうございました」」


 これで、晴れて1位で決勝トーナメント進出だ。目標に一歩ずつ近づいている。時計を見ると、もうすぐ2時が来る。試合をしていたから気付かなかったが、もうお腹がぺこぺこだ。スケジュール的にも間があるのでここで一旦お昼休憩になった。


 弁当を食べながら、みんなで次の試合のことを話し合う。次の相手は、花泉中(かせんちゅう)だ。一人だけ県大会予選でベスト8に入った選手がいるが、彼を除けば、選手全員のレベルは平均的なチームだ。しっかりと集中していけば、負けることは無い。けれども油断は禁物。みんなで話し合いオーダーを組み、試合が始まるのを待った。







 



















 

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