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≪連載停止→改稿版連載中≫  作者: 立花詩歌
第一章『黒き森』
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(6)秘密‐Das Geheimnis des Madchens‐

新たに加えました

 『ある種の天才(アホ)』シャルロットの致命的失敗ナチュラルトラップによって、ハクアクロアに飛ばされた俺の前にいた幻の騎獣ベルンヴァーユ。

 わずかな時間を共に過ごしたソイツは突然立ち上がったかと思うと崖から跳んで、崖下に広がる黒き森(シュヴァルツヴァルト)に着地後、なんとわずか1分ちょっとで森の中を駆け抜け、5分もしない内にテオドールの中に飛び込んでいった。

 概算速度はなんと亜音速。正直、生物に出せる限界を超えてるだろとも思うが、ベルンヴァーユにとっては普通らしい。

 そしてこれまたわずかな時間で街から飛び出してきたベルンヴァーユは、その背に誰かを乗せていた。

 瞬く間と言う程は短くもないが、5分ちょっとで森の入り口に差し掛かるのを見て、さらに5分ほど経った頃にハクアクロアを登ってきたらしいそのベルンヴァーユは、再び俺の前で立ち止まった。

 というか予想できて然るべきだったのだが――空間転移魔法テュアシュトラーセの事故で強制的に飛ばされた先に、いかにも待っていましたというように座っていたベルンヴァーユがテオドールに行って戻ってきた。これだけの状況が揃っててすぐにわからなかった俺が馬鹿だった――ベルンヴァーユに乗っていたのは、この事態の主犯、シャルルさんだった。

 俺はこの時までは本当に、ほっぺたをつねるくらいで許してやるつもりだったのだ。これも別に罰ではなく、ただシャルルの柔らかいほっぺたをいじりたいだけなのだが。正直1ヶ月シャルルのドジをことごとく流してきた俺には今さらこんなことで怒る気も起きない。笑って済ませるのもまあいいかという気分で、今回も軽く許すつもりでいた。

 シャルルの第一声を聞くまでは。


「どうして先に行っちゃうんですか?」


 俺、キレてもいいよな。


「シャルル、そっから降りてこっち来い」


 シャルルは何の疑いも抱いていないような無邪気な顔で、ベルンヴァーユから降りると、素直に俺の元に歩み寄ってくる。


「何ですか?」


「とりあえずそこに座れ」


 と手近な木陰を指すと、シャルルは首を傾げながらもそこに正座する。

 そして、俺もその目の前に座ると、


「この馬鹿ッ!」


 ビクンッ、と怒鳴りつけられたシャルルの肩が跳ねる。


「今回は俺で、空間転移魔法テュアシュトラーセを母さんが見てたからよかったけどなっ! 俺じゃなくて、しかも誰も見てない時だったらどうすんだ!」


 俺が怒鳴りつける度に、シャルルはビクッビクンッと身をすくませる。


「ご、ごめんなさい……」


 さっきの第一声を聞く限り、どうやら自分が何をやったのかいまだに理解していなかったらしいし――それはそれで問題だが――母さんはともかく俺の不注意もあるわけだからこの辺で許してやってもいいよな。


「お、お詫び……させて下さい」


 俺がシャルルの頬をつねるために手を伸ばした時、うつむいていたシャルルは弱々しい声でそう言った。

 そういえば、なんでコイツはここまでお詫びにこだわるんだ?


「しなくていいよ。もう色々面倒だし」


 正直面倒なのは後でしなきゃいけないだろう母さんへの説明だ。


詫びなんて欲しくない(ヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽ)しな」


 俺がそう言った瞬間、シャルルがバッと顔を上げた。


「シャルル……?」


 思わず声を出してしまったのは、目の前のシャルルの様子がおかしかったからだ。膝の上の手を震えるほど握りしめ、目をカッと見開き、まるで聞きたくない言葉を聞いたような表情だった。


「その言葉……何処で……」


 普段通りの弱々しい声で、シャルルの呟きが聞こえてくる。いつもと同じ声なのに、何故かそれは聞き取りにくかった。


「何で……」


「どうかしたのか……シャルル?」


 ピクッ――と帽子が揺れた。


「あ……い、いえ……その……」


 シャルルは何かを口ごもり、視線をさ迷わせた。何かを考えているような、いや、迷っているような表情だった。


「シャ――」


「アルヴァレイさん!」


 様子がおかしいシャルルをなだめるために、馬鹿明るい声で『シャルル、とりあえずテオドールに戻ろうぜ! 飯もまだだしさ!』と言おうと口を開いた瞬間、その言葉を遮るようにあのシャルルが叫んだ。

 普段と違う、それだけでこんなにも緊張をあおられるなんて。


「な、何だよ……」


 気圧されそうになった自分を隠しつつ、シャルルにそう問うと、


「ルーナに……ルーナに乗って下さい」


 ルーナ?

 首を傾げるのも抑えて、シャルルの指先を目で追う。その先には――。


「コイツ……ルーナって名前なのか」


 むしろルーナってコイツだったのか、って感じだ。人だと思ってた。

 なるほど。何処からなのかは知らないが、ベルンヴァーユの足ならテオドールまで1時間っていうのもあながち嘘でもなさそうだ。というかそんなにかかるのかすら疑問だな、さっきのを見てると。

 無理やり思考を別方向に切り換えると、シャルルの台詞をもう一度反芻(はんすう)する。

 『ルーナに乗って下さい』。

 察するに、俺の考え通りテオドールに向かう訳じゃなさそうだ。

 様子がおかしいのは初対面以来だが、このまま信じないというのも酷だろう。

 ハクアクロア(ここ)じゃ逃げ場も無いしな。悪い奴じゃないのもわかってる。

 ただ一応、理由(ワケ)ぐらいは訊いてもいいよな。


「どうしてだ?」


「見せたいモノがあるんです」


 即答。まるで俺の質問を予期していたように淀みない返答。いつもの健気(けなげ)なシャルルからは信じられないようなしたたかさだった。


「……わかった」


 誰ともなしに言っとくが、ビビったわけじゃないからな。

 言い訳じゃない。なぜなら――。

 ――秘密を共有していくのも友情を深める道の1つだから。

 最短でもなければ、最良でもない、どちらかと言えばいばらの道だが、それで得られるモノは大きい。


「必要なのは少しの度胸……か」


 俺は自分だけに聞こえるような小さな声でそう呟くと、体勢を低くして乗りやすくしてくれるルーナに歩み寄った。







 ドドッドドッと重い音を響かせながら、ベルンヴァーユのルーナの蹄が足下の地面を割り砕きながら走っている。


「絶対に角から手を放さないで下さい」


 普通なら、このスピードだとつかまってても振り落とされそうなんだけどな。ベルンヴァーユは素人では乗りこなせないというのは、この辺りから来ているのかもしれない。

 しかもこの森、前も後ろも右も左も似たような景色ばっかりでまっすぐ進んでいるのかもよくわからない。森の木々が勝手に避けていくようで酔いそうになる。実際には木々の間を縫うように走っているだけなのだろうが、そう錯覚してしまうほどに横に振られることも縦に揺れることもほとんど無かった――曲がる時は別――。度を超した速度とは、裏腹な快適さだった。

 そうこうしている内に、突然目の前が明るくなった。目の前にあったのは、木の生えてない、ひらけた小高い丘。薄暗い森から抜けたのだった。


 ドガッ。


 地面をえぐる音がしてルーナが止まる。

 えっと……さっきハクアクロアから黒き森(シュヴァルツヴァルト)に入るまで3分ほどだったから……えっと……何分だ?

 無駄なことを考えつつボーッとしていると、シャルルがルーナから飛び降りる。そのフォームの見栄えがよかったから、見よう見まねで後に続こうとするも、慣れもない素人ができるわけもなく、案の定落ちた。

 周りの状況もうまく掴めないままに振り向くと、シャルルは木造の小屋の前に立っていた。大きさだけ見れば小屋と言うよりは小さな家だったが。


「アルヴァレイさん」


 シャルル側を風上に、サァーッと風が吹き抜けていき、思わず目を守る。その一瞬で入った視界で、シャルルの帽子やローブがバタバタとはためいた。


「あなたは魔女が怖いですか?」


 魔女……?


「魔女……って『黒き森(シュヴァルツヴァルト)の魔女』のことか?」


「はい。……彼女(ヽヽ)は『幻夜げんや狂客きょうかく』と呼ばれていたこともありますけど」


「知り合い……なのか」


「いいえ。でも知ってはいます(ヽヽヽヽヽヽヽ)。どうですか、アルヴァレイさん。あなたは魔女が怖いですか?」


 そもそもテオドールの住人の中で、俺ほどあの『魔女』に同情的な奴はいないんじゃないかとも思う。正直、謎ばかりで特に事件を起こした話を聞いたことがないからな。

 ただ――。


「怖くないとは言い切れないけど……」


「そう……ですか……」


 シャルルはわずかに目を伏せると、悲しげで無理な微笑みを浮かべた。


「ちょっと待て。なんでお前が悲しいのかは知らんが理由を聞け理由を!」


「理由……?」


 ちくしょう。思わず口走っちゃったけど、『怖くないとは言い切れない』理由って何だよ! 考えろ、考えるんだ俺! いや、むしろ考えるな、感じるんだ。


「ほら、俺は黒き森(シュヴァルツヴァルト)の魔女がどんな奴か知らないし、何もわからないんだから怖いのは当たり前だろ? もしかしたらいい奴かもしれないけど、もしかしたら悪い奴かもしれないし」


 口に出して改めて思ったけど、理由としては結構まともだな。うん、シャルルには悪いけど即席にしてはなかなかだ。


「何も知らない……ですか」


 何処か不満そうなシャルルの声に違和感を覚えた。

 シャルルは目を閉じ、何かを呟きながら何度も頷くと、


「アルヴァレイさん、見せたいモノがあります。どうぞ、中に入って下さい」


 そう言って、シャルルは目の前の小屋を指差した。


「いいけど……ここって誰の……」


 ゾクッ。


 シャルルの顔を見た瞬間、背すじが凍りつくような感覚を覚えた。覚えた、というのはやや弱い。恐ろしいほどに衝撃的な感覚が、全身を貫いた。


 冷たい微笑。

 こんな、ここまで見た者に恐怖すら感じさせる表情があるものなのか!?


「ようこそ。『黒き森(シュヴァルツヴァルト)の魔女』の居城へ」


 シャルルのゾっとするほど冷たい声は、静かに俺の耳に届いた。





「私の名はシャルロット=D=グラーフアイゼン。そして……『黒き森(シュヴァルツヴァルト)の魔女』は……私です」


 小屋の中に入った途端、シャルルは俺にそう告げた。

 なんとなく変だな、おかしいな、と思いつつも、最悪の事態パターンとして想定はしていたからだろうか。シャルルの告白に対して、さほど驚きを感じていなかった。心拍数も正常、呼吸も正常、ただ1つだけその適応力だけが異常だった。

 確かに俺は大抵のことは受け入れる性質たちだけど、さすがに限度もあるだろうと思っていたが――まさか際限なしに受け入れるつもりじゃないだろうな、俺。


「シャルル、とりあえず――」


 目の前で静かに佇むシャルルに、


「これ」


「ダメです」


 まだ何も言えてない。


「縄を……」


「イヤです」


 とりつくしまもないとはこのことか。俺はただ、両手を頭の上で柱に拘束するこの縄をほどいてほしいだけなのに。


「なんでこんな縛ったりするんだよ」


「アルヴァレイさんを怖がらせるためです。食べちゃいますよ」


 そう言って口をパクパクさせるシャルルの姿は怖さとは完全に正反対の滑稽さで、むしろいつも通りの子供子供した可愛らしささえある。ていうかシャルル、何がしたいのかは知らないが、それを言っちゃったら全然怖くないだろう。今はある意味怖いけど。


「ガオーです」


 可愛い。牙を剥いているつもりなのだろうが、お前の犬歯はほとんど尖ってないからな? さっきのおかしくなったシャルルからどんだけ幼児逆行してんだよ。


「シャルルが『黒き森(シュヴァルツヴァルト)の魔女』だったのはとりあえずわかったけど、どうして俺をここに連れてきたんだ? わざわざ連れてきてまでそれを知らせる必要あるのかって思う」


 正直、一番それが知りたかったし、今はそれが一番怖い。

 今まではシャルルを世間知らずの箱入り娘か何かだと思っていたから結構衝撃的なカミングアウトだったけれど、それを知る知らないで何かが変わるとも思えない。そもそも友達なんてそんなもんだろ。そいつの秘密を知ってるかどうかで心変わりする友達なんて今まではいなかったしな。ヴァニパルには馬鹿すぎる秘密を隠し続けている友達やつもいたけど。

 とにかく、シャルルが昔から噂されているような『黒き森(シュヴァルツヴァルト)の魔女』じゃないことぐらいはもうわかってる。ついでにシャルルが宣言通りの16歳じゃないことも貴族の子女なんかじゃないこともわかってる。貴族の子女に対する『生まれのいい奴は大抵やなヤツ』って認識を変える必要もなさそうだ。あと気になるとすれば、シャルルが本当は戦技歴何年かということぐらいだ。

 今のこのシャルルすら演技だったら、どうしようもないんだが、なんとなくそこまで器用そうにも見えない。

 俺は友達(シャルル)を疑いたくはない。シャルルがもし残虐な魔女だったらなんて考えたくもない。今までの時間が嘘だったなんてことも考えたくはない。

 ただどんなに言葉を並べ立てても、言い訳で飾り立てても、結局のところ怖いものは怖い。だから、この質問をすることもかなり覚悟してからのことだった。

 それなのに――シャルルはなぜ黙ってるんだ? どうして何も言わない。俺が望む答えを一言言ってくれれば全てが終わって、今まで通りに戻れるだろうに。

 シャルルは少し間を置いて、スッと俺の足を指差した。


「震えてますよ」


「え?」


 見ると、アルヴァレイの足は確かに小刻みに震えていた。ずっと不安定な立ち姿勢を強制されて疲れているのか、あるいは無意識の内に覚えた恐怖からくるものか。


「アルヴァレイさん。私が魔女だってわかったら怖いですか?」


 真面目な声色――どうやらシャルルは本気で俺の本心を聞きたいようだった。

 俺でもよくわからない、まとまりのつかない本心。どう答えるかによって俺とシャルルの関係が大き

く変わってしまうのなら、俺はたぶん卑怯者なんだろうな。


「……確かに怖いことは怖いよ」


 その言葉を聞いたシャルルは、射抜かれたように後ずさった。


「やっぱり……ア、アルヴァレイさんもそうなんですよね。あ、当たり前です……よね……。私は……『魔女(トイフェル)』なんですから」


 シャルルは震える声で自嘲する。


「違う」


 俺は……卑怯だ。

 この1ヶ月間シャルルを見てきて、その性格はだいたい把握してる。どう言えば納得しやすいかもだいたいわかる。

 だから卑怯なんだ。シャルルの願い通りに本心を口に出したりはしないから。


「何が違うんですか?」


 シャルルの切実な想いがわかるから辛い。その辛さが本人の比じゃないこともわかるのに、俺は本心から否定することができなかった。


「俺は、シャルルが『魔女』って呼ばれてることを怖がってるんじゃない。シャルルが本当の魔女だったらって考えると怖いだけだ。今のそのお前が俺を油断させるための演技で、本当は残酷な性格を持つ危険人物だったらって思うと怖いんだ」


 嘘だ。隠しきれない本能的な恐怖が俺を饒舌(じょうぜつ)にしている。


「嘘ですね。声が震えてますよ……でもありがとうございます。嘘でも嬉しいです。やっぱりアルヴァレイさんは優しい人です」


「そんなんじゃ……」


 優しくなんてない。ただ逃げているだけだった。

 こんな話を普通にしている自分が怖い。なんで自分はこんなにも、自分を客観視できるのかもわからない。俺が途中から考えていたのは、話を早く切り上げてテオドールに戻りたい、それだけだった。曖昧で安直な答えを返し、シャルルを都合よく言いくるめることで早く解放されたかったんだ。


「最初に……」


 悲しげに目を伏せていたシャルルがそう切り出した。


「最初に会った時、アルヴァレイさん言ってましたから……。『黒き森(シュヴァルツヴァルト)の魔女』に会いに行こうとしたって。だからです。それだけです……」


 そう言って言葉を切り、シャルルはテーブルの上に置いてあった儀礼用の小剣を手にとり、手の中でくるくると回し始めた。

 お前、小剣(ソレ)をどうするつもりなんだ……?

 嫌な予感を完全否定できない自分が大嫌いになりそうだった。

 シャルルは小剣を順手で持つと、俺に歩み寄ってくる。

 そして俺は、身構えた自分を後悔した。


「私が『黒き森(シュヴァルツヴァルト)の魔女』シャルロット=D=グラーフアイゼンです。恐ろしくておぞましい魔女(トイフェル)です」


 投げやりにそう言ったシャルルは、背伸びをしてさっきイヤと言っていた縄をその小剣で切った。


「こうでもしないと……話を聞いても貰えないと思ったんです」


 俺ははっきりと気づいた。

 彼女は、シャルルは魔女じゃない。ただこの森に住んでいるってだけで怖がられてはいるけれど、か弱くて優しくて怖がりで、ちょっと不器用な普通の女の子なんだ。

 そう思って気がつくと、さっきまで感じていた恐怖は全て消え去っていた。

 本心を、出せそうだった。


「シャルル、友達って何かわかるか?」


「……わかりません」


「わからないのかよ!」


 話が進まないじゃねえか。


「ま、正直俺もよくわからないんだけどな。曖昧だけどこんな感じのものなんだな~ってのはわかってる」


 シャルルの表情は強張っていて、俺が何を言おうとしているか、その意図が読めていないようだった。


「俺の友達にはな、本名を明かさないくせに親友だと思ってる馬鹿がいる。でもそんな奴でも友達だとは思ってるんだ」


 親友とは思ってないが。親友なら名前ぐらい教えろよ、って本気で腹立つ。


「友達なんていくつも形があるもんだろ。俺が友達だと思ってる奴にはな、他にもこんな奴がいる。周りからの認識を気にして余計で見当違いな勘違いをして、それで暴走して無駄な杞憂をしてる馬鹿が」


 俺の友達は馬鹿しかいない。


「そんな人がいるんですか……」


 お前だ、馬鹿。


「シャルル、余計な心配しなくてもいいぞ。お前は俺の友達なんだから」


 これは隠す必要のない本心だ。

 その言葉を聞いたシャルルは1,2拍のを空けて表情を和らげた。

 ていうかうっすら目に涙が溜まってさえいる。察するに、シャルルが魔女と言うことを知った奴は最低の反応しかしなかったのだろう。

 だからこそシャルルはぶつかっただけという俺との出会いも大切にしようとしていたのだから。

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