転生幼女圧迫面接を体験する
今日から22時更新です。
メイドさんについて行くと、
着替え終わったシオナお母様がいた。
すっごい綺麗だった。
むかつくけど。
本当にお貴族様みたいだった。
非常にむかつくけど。
なぜこんなお母様が、キースなんて選んだのかわからない。
もっといい人釣れそうなのに、
まぁお母様のことなんて理解するのもめんどくさい。
どうせしょうもなさそうな理由だろうし。
こんな可愛い娘(調子のりすぎです。すいません)がいるのに、可愛いがらないし。
そんなお母様は、私をみるとでかめのため息を吐き
(幸せが逃げちゃいまっせ)踵を返し歩き始めた。
幼女の歩くスピードなんて全く考えないスピードで、
ずんずん進んでいく。
もう少し私のことを考慮してくれてもよくない?
そして急に立派な扉の前で立ち止まった。
ついて行くのに必死だった私は、
お母様に追突しそうだった。
そんな私を、お母様は冷めた目で見ていた。
そして、お母様が扉をこんこんと叩いた。
「お父様、シオナです」
「入りなさい」
「失礼します」
部屋に入室すると金髪に、アメジスト色の目、
と色味がお母様にそっくりな、
どこかたぬきを連想させる小太りな叔父さんがいた。
「侯爵家に恥を塗った愚娘が、おめおめと帰ってきました」
「いや、いいんだ。気にしてないよ。もっとはやく逃げ帰って来るかと思ったが、予想以上に頑張っていたじゃないか」
「本当に申し訳ありませんでした。現実が見えていませんでした。」
「そうだね。お前もまだ若かったが、私が甘やかしすぎたようだ。」
がっつり気にしているじゃないか、
たぬき爺(シラルドお祖父様と呼ぼうか圧)、
嫌味な感じが嫌いなタイプだ。いや〜な感じ
「ところでこの子がお前が他所で作ってきた子だね。
目は、この家の色じゃないか。薄めだが。」
と、たぬき爺(シラルド以下略)が遠慮なくジロジロ見てくる。
貴方の可愛い可愛い孫ですよ〜と、
一応顔をきょとんとさせアピールしてみる。
だが、そんな私の可愛い顔による
必死のアピールも効かないようで、
ふっと目を外されお母様のほうを見る。
「お前の顔には似てないね、名前はなんという?」
「付けていません。私がお役に立てなかった政略結婚にも使える顔かと思い連れて来ました。侯爵令嬢としての最低限の教育さえしておけばいいかと」
「そうか。侯爵令嬢として育てるのか?」
「いえ、教育さえしておき、政略結婚で使えれば後は、使用人と同じ扱いでも構いません」
え、ちょっと待って、私そんな嫌われててる?
名前もらえない?
まだ、この主人公一言も話していません。
それが、不気味さを煽っている事に気付いていません。
脳内、騒がしすぎだからね!