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サフィアスside Part2


気持ちを落ち着かせ、改めて彼女を見るとおかしな事に気づいた。彼女の着ていた服があまりにも質素すぎたのだ。貴族には、とてもじゃないけど見えない庶民向けのワンピースを着ていたのだ。


この時点で俺は、シオナ侯爵令嬢を見限った。

何故なら彼女が、余りにも愚かだからだ。貴族とは、世間体を大事にする。

そんな中、実の娘に庶民のワンピースを着せて連れてくるなんて愚かすぎる。

自分が冷遇していると公言しているようなものだからだ。

普通なら人前では取り繕うが、それもしない彼女がこれから公爵夫人としてやっていけるわけない。

まぁ父上がなんとかするだろう。


そんな俺の胸中もしらず、馴れ馴れしく挨拶してくる継母、適当に返事をしておいた。

それに対して彼女は違った。きれいなカテーシーを披露し、立派な挨拶をしてみせたのだ。更に、自分の立場をわきまえている発言。本当に賢いようだ。


その後父は継母を連れてさっさと屋敷に入ってしまった。

正直任されても困る。この子をどう扱うかの方針も決まっていない、部屋だってない。

俺はため息を吐き、一旦指示を仰ぐため、屋敷に帰ろとした。

しかし、彼女に裾を持ち引き留められた。

俺が振り返ると、彼女は


「あ、咄嗟に大変申し訳ありません」


といい、裾を離した。

俺は、咄嗟とはいえなんか用があったのかと思い、


「なんだ?」


と聞くと、

何故か彼女は上目遣い、しかも涙目で、


「私を捨てないでください。下働きでも政略結婚の駒でもなんでもやります。貴族の扱いなんて求めません。お願いします。家に置いてください。」


と言ったのだ。

俺は、心臓がギュッと握られた心地がした。

上目遣い、涙目にやられた部分も正直あるが、誰がどう見ても幼い彼女が、こんなにも必死になって頼まなくてはいけない事実に胸が痛くなったのだ。

この言葉だけで彼女の扱いの悪さがわかる。

更に自分の状況をしっかりと把握しているという事実にも驚いた。


とりあえず何か話さねばと思い、彼女の名前を聞く事にした。父上からないとは聞いていたが、流石に好きにつければいいという意味で本当にないとは、思っていなかったのだ。


「賢いな、お前、、本当に名前ないのか?」


「はい、いつかどこかで都合のいい名前をつけていただける時までありません。必要ないそうです。

なので、お好きに呼んでください。」


本当にないらしい、そしてまさかそれを本人に直接言うとは、もう怒りを通り越して呆れ果てた。

本当に今まで彼女を愛してくれた存在は、いなかったのだろう。


彼女の自己肯定感は、余りにも低すぎる。

環境を考えれば仕方ないが、それでも俺は、許せそうにない。

彼女は、俺が愛そう。俺は、心に決めた。

父上がどう思うかなど関係ない。次期当主として、判断しよう。彼女は、俺の妹だ。公爵令嬢にする。

そう決め、俺は彼女の前に膝をついた。








思ったより、サフィアスside が長引きそうです。

2話で終わらそうと思ったのに!

もうしばらくお付き合いください

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