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孤児と魔物の暮らし方  作者: 無句読


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茶碗

 しまった!私の湯呑み茶碗が。


 きーん!


 無情にも床に落ちて壊れてしまった。


 きーん?


 湯呑み茶碗を拾い上げるが何処も壊れてはいないようだ。


 何かおかしい、私は指で軽く湯呑み茶碗を弾いてみた。


 きーん!


「この湯呑み茶碗を鑑定していいか?」


「いいよ」


 私は鑑定室に行き鑑定台の上に湯呑み茶碗を置いた。


 [鑑定結果]

 湯呑ゆの茶碗ちゃわん(器)

 トレントの枝とオリハルコンで出来た幻の器。

 斬撃耐性、衝撃耐性、魔法耐性、状態異常耐性。

 製作難易度S。


「何だこれは?トレント枝とオリハルコンだと?しかもこの耐性は何だ?」


「あれ?お父に作って貰ったの?」


「お前は知っていたのか?」


「うちで売ってる上級者用のスノーボードとソリも大体同じだよ?」


「何だと!お前はこれの凄さを理解しているのか?」


「お菓子以外は興味ないよ?」


「はぁー興味ないかもしれないが教えてやる、この湯呑み茶碗を持っていれば魔法や毒や麻痺等の状態異常が効かないのだぞ!」


「うん、鑑定結果の通りだよね」


「…もっと解り易く言おう、湯呑み茶碗を持っていればA級の盾より強いのだぞ」


「うん、S級だからね」


「…」


 私は用事が出来たと冒険者組合に帰る事にした。




「おい、何の騒ぎだ?」


「冒険者組合長がフル装備で訓練場に向かったてよ」


「フル装備で何をするってんだ?教会に迷惑を掛けた俺等にお仕置きするのか!」


「いや、お仕置きするのは俺等じゃないらしい」


「一体誰を?」




 訓練場では全ての訓練が中止されていて既に見物人で満員御礼だ。


「お前は興味が無かったのではないか?」


 ぱりっ「うん、暇だったから」


「まぁいい、では始めるぞ!」


「マジックウォール」


 冒険者組合長が詠唱を開始する。


「なぁ、湯呑み茶碗に向けて魔法を発動するってどういう事なんだ?」


「湯呑み茶碗の魔法耐性を調べるって言ってた」


「組合長の魔法なんて食らったら一瞬で灰になるぞ」


「組合長ってそんなに強いのか?」


「あぁ、フル装備の組合長は化け物だぜ」


「なるほど人が集まる訳だ」


 詠唱が完了した。


「ファイア」


 湯呑み茶碗の周囲に無数の炎が現れる。


 ごごごごご!


 湯呑み茶碗が炎に焼かれて室内が暑くなる。


「凄いファイアだが化け物って程の威力ではないな、おい何処に行くんだ?」


 集まった見物人が訓練場から逃げ出すが、湯呑み茶碗の方を見ていて気付くのが遅れた。


 組合長の頭上には大きな塊があり、それはまるで太陽のようだった。


 そして一瞬にして室内が常夏になると、まだまだ暑くなる。


「やばい」


 逃げ遅れた冒険者は身体強化魔法で全力で離脱した。


 組合長は全員の離脱を確認し魔法を放つ。


「フレア」

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