救助
山の奥の方でも声が聞こえる。
「雪舟、急ぐぞ」
山の奥の方では助けようと滑り出すが悲鳴が聞こえてきた。
均衡を崩し転倒したのだろう。
山の奥の道に着くと雪舟が乗れと合図してくる。
「雪舟、助けに行くぞ」
滑り降りる。
しゅごー!
しゅごー!
ん?何かある。
しまった!雪山か!白くて気付くのが遅れた。
その時、魔力の流れを感じ雪舟がソリに魔力を込めている。
しゅごごごごごー!
さらに速さが上がる。
しゅごごごごごー!
危ない、私は身体強化魔法を発動し飛ばされないように両手でソリを掴む。
しゅごごごごごばー!
「飛んだ!」
しかも回転している。
私達は計算したかのように飛んで回転して着地するが速すぎて止まれない。
すると雪舟は私の股の間に立ち上がって体重移動しているので私もそれに倣って身体を傾ける。
がごごごごごー!
雪を巻き上げながら横滑りして止まり、気付けば倒れている屍の側にいた。
雪舟はソリを降りると倒れている屍をころころ転がして来た。
私は慌ててソリを降りると、ころころ転がされている屍がソリに収まる。
私も近くにいたもう一人の屍を転がしソリに乗せると雪舟と一緒にソリの紐を引いた。
そして何事も無かった様にその場を後にした。
俺は治療室の天井を眺めている。
仲間と二人で遊びに行って事故にあった。
「気付いたか?」
「お前は随分派手に飛んだらしいな」
「飛んだ?」
「なんだ記憶も飛んだのか?」
その男はだっはっはーと笑う、よく見れば冒険者組合でよく見かける冒険者だった。
「ここにいるのは皆飛んだ連中だ」
そう言われて周りを見ると寝台と床は冒険者で溢れていた。
「ここは地獄か?」
「いや天国だ」
「天国?」
「あぁ、助けられたんだからな」
「助けられた?」
「お前は雪舟と冒険者組合長に助けられてここに運ばれたんだ」
「ソリと冒険者組合長?何故、冒険者組合長が?」
「俺等が迷惑を掛けるからだろ?」
確かにこの惨状を見て迷惑だと思わない奴は居ないだろう。
だっはっはーと言う笑い声、むさ苦しい男達、まるで冒険者組合に居るようだった。
「急患です!」
「お!仕事だ、またな」
冒険者の男がそう言うとソリに乗せられた男が運ばれて来る。
ソリを引いていたのは冒険者組合長と瞳をきらきらさせた生き物だった。
冒険者の男が寝台に寝かせて治療が始まる。
その男は腕が折れていたらしいが、冒険者組合長にお前は軽傷だから早く出て行けと追い出されていた。
「目が覚めたのですね、気分はどうですか?」
「大丈夫だ」
治療の先生に暫くは安静にして下さいと言われ直ぐに追い出された。
俺は返答を誤ったみたいだ。




