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孤児と魔物の暮らし方  作者: 無句読


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滑走

 仕事も無いし行ってみるか、教会に負担を賭けてしまったようだしな。


 こんこん!


「入るぞ」


「お姉様、遊びに来たの?」


「いや、お菓子を買いに来た」


「お菓子?」


「そうだ、冒険者達が教会に迷惑を掛けているらしくてな。これから教会に行くからお菓子でもと思ってな」


「丁度、雪舟がお菓子持って来てくれた所だよ」


「ソリがお菓子を?」


「雪舟だよ、おちびちゃん達と住んでるの」


「新しい住人が増えたのか、適当にお菓子の詰め合わせをくれ」


「分かった」




 教会に入り辺りの床を見ると屍のように患者が転がっている。


「組合長!」


 屍の言葉に耳を傾ける事無く素通りすして治療室に入ると叫びが聞こえてくる。


 其処は屍だらけであった。


 寝台に屍、寝台の下にも屍、勿論床にも屍だ。


「先生、迷惑を掛けて済まない」


「冒険者組合長、治療が終わった患者を片付けてくれませんか」


「どういう事だ?治療が終わったら普通帰るだろ?」


「それが仕事が無いからゆっくり治療したいと言うので困っているのです」


「私が分からせればいんだな?」


「はい」


 その会話を聞いていた屍達は神聖魔法で浄化された様に消え去り、治療室から患者は居なくなった。


「これはお詫びの品だ、皆で食べるといい」


「ありがとうございます」


「また何かあったら連絡してくれ、それとあれは何だ?」


「雪舟です。患者を助けて運んでくれたんです」


 こいつが言っていた雪舟か、あいつの話が要約分かった。


「人懐っこいみたいだが危険は?」


「ありません」


 話をしていると雪舟が治療室から出ていく。


「雪舟は何処に行くんだ?」


「山だと思います」


 雪舟が何をしているか見定めに行くか。




 雪舟の後について歩いて行くと子供達がソリで遊んでいる場所に来た。


 其処で滑るのかと思いきや、さらに山の奥深くを歩く。


 子供達の姿は見えないが大人達の姿が見えるようになった。


 どうやらここのようだな。


 大人達が物凄い速さで滑り降りている。


 山を登り滑る位置に着いたが、下から見るのとは違い上から見ると凄い急斜面だと気付く。


 ソリで滑り均衡を失って転倒するとただでは済まないな。


 私には転倒しても魔法で回避する事が可能だ。


「雪舟、私も一緒に滑ってもいいか?」


 輝いていた瞳がより輝いた。


 先に私がソリに乗り雪舟を持ち上げる股の間に座らせて手綱を持たせる。


「よし!雪舟、行くぞ!」


 しゅごー!


 しゅごー!


 思ったより速いな。


 しゅごー!


 しゅごー!


「雪舟、楽しいな」


 しゅー!


 あっという間に山を滑り降りた。


「雪舟、また滑ろう」


 もう一度山を登り滑ろうとした時、助けを求める声が聞こえた。

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