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孤児と魔物の暮らし方  作者: 無句読


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心得

 装備は最高の物を。


 冒険者は危険と隣り合わせで、装備をけちって命を失う事は多々ある。


 熟練の冒険者は装備に妥協しない、それが遊びであっても。




「スノーボードとソリと言うのは何処にある?」


「はい、こちらになります」


「これが?俺にはただの木材にしか見えねぇ」


「これで雪山を滑り降りる事が出来るのか?」


「はい」


「ならスノーボードとソリを貰おう、使い方を教えてくれ」


「おい、ちょっと待て!幾らなんでもぼったくりじゃねえか!」


「どうした?嘘だろ?木の板で俺の生活費一年分?」


 これには流石の俺達も頭にきた。


 価値の知らない冒険者だからって舐められてたまるか。


「お前じゃ話しにならん」


「おい、組合長を出せ!」


「これは上級者向けの商品です」


「何!」

「何!」


「そしてこれが初心者向けの商品です」


 俺の目には同じ商品にしか見えねぇ。


 また俺達を騙そうって事か?


「初心者向けには値段を抑えて普通の木材を使用していて、誰でも気軽に雪滑りを楽しむ事が出来ます」


「上級者向けには値段を気にせずトレントの木材を使用していて、衝撃耐性や魔法耐性に状態異常耐性があり雪滑りを遊び尽くす事が出来ます」


「ほう」


「なら」


 と言って外にスノーボードとソリを持ち出し、スノーボードを破壊しようと剣を抜く。


 きーん!


 ソリをファイアで燃やす。


 ぼっ!しゅ!


「お客様、斬撃耐性は無いのでお辞め下さい。それと外での魔法の発動は危険なのでお辞め下さい」


「すまねぇ」


「悪かった」


「初心者用はソリしかありません、スノーボードは魔力を込める仕様になっていますので上級者用しかありません。上級者用は来年には生活費一ヶ月分くらいにはしたいと伺っています」


「こっちを貰おう」


「俺もこっちだ」


「お買い上げありがとうございます」




 俺達は山の麓にやって来た。


「誰もいねぇな」


「あそこを見ろ」


 ちび達が遊んだ跡があり山を登ると道になっていて、ここから滑り降りるようだ。


「滑るぞ」

「行くぞ」


 しゅー!

 しゅー!


「おもしれぇ」

「おもしれぇ」


 しゅー!

 しゅー!


「…」

「…」


「なぁ、もっと高い所から滑ろうぜ」


「あぁ、もっと速く滑りてぇぜ」


 しゅごー!

 しゅごー!


「癖になるな」

「堪らんな」


「あっちにも道があるぞ」


「あっちも滑ろうぜ」


 あっちの滑る道をさらに上まで登った。


「かなり登ったが大丈夫か?」


「滑るだけだし大丈夫だろ」


「行くぜ!」

「行くぜ!」


 しゅごー!

 しゅごー!


 しゅごー!

 しゅごー!


「ひゃっほー」

「ひゃっほー」


 しゅごー!

 しゅごー!


 しゅごばー! 

 しゅごばー!


「飛んだー!」

「飛んだー!」


 どがっ、ばきっ、どんどんどん、ざざー

 どがっ、ばきっ、どんどんどん、ざざー


「…」

「…」

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