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孤児と魔物の暮らし方  作者: 無句読


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 ソリ好きな生き物が家族になった。


「お揃いのソリと帽子で兄弟みたいだな」


 院長先生が寒いからと僕とお揃いの帽子を編んでくれた。


 ジャンにそう言われると確かに兄弟みたいだ。


「またソリか?」


「うん」


 ソリは漢字で雪の舟と書くとジャンに教えてもらった。


「行くよ、雪舟」




「道が出来てる」


「おう!取り敢えず初心者用に山の麓に道を作ったぞ、それと上級者の道も作る予定だ、後アスレチックパークも倍に広げた」


「お父さん、ありがとう。雪舟、行こう」


 アスレチックパークから滑り始めて国境の山沿いを滑る。

 景色を楽しみながらゆっくり滑るのもいいものだ。


 山沿いの端まで行くと休憩所があり、其処で休んでまたアスレチックパークに戻って来る。


 これなら魔力を込められない僕にも楽しめる、速さだけが楽しさではないからだ。


 しかし速さを楽しさと思う者もいる。


「雪舟!」


 速い、速過ぎる。


 景色を楽しんでいるかい?山々に積もる雪景色を楽しんでいるかい?


 僕は広大な山々を見てそう思わずにはいられなかった。




 アスレチックパークを広げると聞いたが、拡大しても私の仕事は変わらない。


 大体の人々もそうだろう、繁盛して事業拡大しても仕事量が増えるだけでやる事は変わらない。


 雇われている者なら尚更だろう。


 そして何時ものように何時もの場所で何時も道理にしていた。


 しかしトレント達は現れない。


「ほっほっほー遊びに夢中のようじゃ」


「それでは困ります」


 身体中痛くてお休みを頂いた事があった、1日ほっといただけなのに枝が伸びに伸びていた。


 それを切るのに徹夜したほどだ。


「では私から出向くとしましょう」


 私は魔導スライダーに跳び乗るとつるんと滑って一回転した。


 トレント達が楽しそうに滑っていたので簡単かと思いきや地味に難しい。


 私は今まで敵陣を突き破る事しかしなかった、直線的な動きしかして来なかったからだろう、横の動きに弱く直ぐ均衡が崩れてしまう。


 魔導スライダーを乗りこなすには前後左右あらゆる均衡を取らなければならない。


 不器用な私でも出来るものだなと魔導スライダーに乗ってトレント達を捜す。


「見つけましたよ!」


 私は剣に手を置くがトレント達は直ぐ見えなくなった。


 速さの差があり過ぎた、其処で私は魔力を込めると二回転して背中から落ちた。


「かはっ!」


 息が出来ない。


 物凄い速さで背中を打ち付けたせいだ。


 今の私では魔力を込めたら均衡を取るのは不可能。


 一度、管理人室に戻り軍で使っている手袋をはめる。


 二足だから転ぶのだ、四足なら大丈夫だろ。


 つるん!


 一回転して着地した。


 これでも駄目なのかと私は軍手を投げ捨てた。


 全力で走り魔導スライダーに仰向けになって滑り込む、そして女神に祈るように手を組み魔力を込める。


 あの世に旅立つかのような姿勢で高速滑走し、トレント達をぶち抜き勝利した。

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