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学校

 今日はジャンとランが学校に行く日で院長先生も一緒に行くので、僕はお留守番だと朝食を食べて掃除をしていた。


「デコ!何で掃除してるんだよ」


「デコ!入学式を見に行くんでしょ」


「デコも支度しなさい」


 昨日、学校に行きたそうな顔をしている僕に院長先生がジャンとランの入学式を見に行きましょうと言われたけれど。


「冗談だと思った」


「デコ凄い笑顔だな」


「デコそんな事言う筈無いでしょ」


「支度出来たら学校に行きますよ」




 学校に着いたが教会と同じ位に大きい!


 受付を済ませてジャンとランは教室へ、院長先生と僕は大広間に向う。


 入学式が始まると、学校の制服を着た子供達が二列に並んで大広間に入って来て、その光景は皆が英雄に見え列の中にジャンとランの姿を見つけた。


 僕の友達であり家族であり英雄だ。僕も、いつかきっと。


「デコが居なくなった?」


 入学式が終わり皆で帰ろうとしたが、人が大勢いたせいで紛れてしまい僕は迷子になった。


 恥ずかしがらずに院長先生と手を繋いでいれば良かったと、周りをきょろきょろする。


「ちび迷子になったのか?」


 優しい声のする方を見ると大男が立っていて顔を見上げるとその大男の顔は傷だらけだった。


 僕はしょぼくれた顔をして「はい」と答えると大男は僕の顔を覗き込んできて、なんだか押さえ付けられている感じがしたけど早く皆を捜さないと。


「がっはっはーちびも学校に行くんだろ?」


「僕は学校には行きません」


「がっはっはーちびなら大歓迎だ。がっはっはー俺は学校で一番偉い。学校に行きたくなったら何時でも来い」


「はぁー」と僕は溜息をついた。


 学校に行きたい今直ぐ学校に行きたい、ジャンとランと学校に行きたい。


「がっはっはーちび名前は?」


「デコ」と言った時、皆の姿が見えたので僕は走って皆の所に行った。


「ジャン!ラン!院長先生!」


「デコ!どこに行ってたんだ」


「デコ!捜したわよ」


「デコ!心配しましたよ」


「帰るか」

「帰るわよ」

「帰りましょう」

「帰ろう」


 帰りはなんとなく院長先生と手を繋いでいると、ジャンとランは「デコだけずるい」と言って皆で手を繋いで家まで帰った。




 学校の理事長室では。


「騒ぎがあったようだけど、お父様また何かしたんですか?」


「がっはっはー面白いちびを見つけてな」


「先生方が威圧を感じたって、まさか子供に威圧したんですか!」


「がっはっはー俺の顔を見ても怖がらないから、ちょっとな」


「呆れた」


「がっはっはーあのちび、デコが来たら学費も学生寮費も全て無しだ」


「またお父様は「おい、俺は冗談じゃ」


「お父様が冗談が嫌いだという事は私が一番良く知っています。先生方も嫌と言う程に分かっています」


 お父様が言った事を冗談だと思った先生がどうなったのか。


 お父様に冗談を言った先生がどうなったのか。


「がっはっはーじゃあ、そういう事な」


「またお父様は勝手なんだから」

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