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孤児と魔物の暮らし方  作者: 無句読


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ソリ

「おはよう」


 朝起きてもソリの上に居るんだろうなと僕は一番に起きて挨拶をした。


 あれ?周りを見渡すが何処にも居ない。


「そっか、帰っちゃったんだね」


 寂しいが仕方ない、少し早いけど朝食の準備でもするか。


「デコ、おはよう」


「院長先生、おはようございます」


 朝食が出来たが昨日、沢山遊んだので寝坊してるみたいだ。


「ジャン、朝食出来たよ」


 ランも起こしに行こうとしたら、あれだけ離れなかったのにランの布団に入り一緒に寝ている。


「ラン、朝食出来たよ」


 僕は椅子に座るとランの悲鳴が聞こえた。


 起きてソリに乗るのを見ると一緒に寝たかったのか分からなくなる。


 朝食を食べ終えて、お父さんの工房に行く準備をする。




「おはようございます」


「おう、今日は早いな、おちび?その生き物は何だ?」


「まだ名前は無いです、山で遊んでいたらソリから離れなくなって」


「それで工房の中だってのにソリに登ってる訳か、面白い奴だな」


 今日、工房に来た理由はこの生き物のソリを作って貰う為で、僕も毎日遊んでいられないから一人でも遊べるソリを作って欲しい。


「一人で遊べるソリかあ、こいつは魔力を使えるのか?」


「分かりません」


「魔力が使えなかったらチョコにあげればいいか」


 お父さんが作ってくれたソリは魔導スライダーでも遊べる魔導ソリで、魔力との相乗効果で速く滑れるらしい。


 お父さんと一緒にアスレチックパークに向かう。


 きーん!と響いている、おじさんは仕事中だ。


 普通のソリから魔導ソリに移し変えて、僕が両手で持ち上げるときらきらした瞳は濁っていくが、移し終えると濁った瞳はきらきらしだした。


「よし!俺が一緒に乗るからな」


 お父さんは魔導ソリを後ろから押して走り出し、側面の魔導スライダーに滑るように当てて魔導ソリに跳び乗る。


 押しただけでも凄い速さで滑って行くと、あっという間に一周して次の一周は見えなかった。


 きっと、お父さんが魔力を込めたからだ。


 姿が見えるとお父さんはぐったりしていたが生き物の瞳の輝きが眩しかった。


「試運転は成功だな」


 お父さんは生き物を両手に取って地面に立たせた。


「それがお前の魔導ソリだ」


 極小の魔導ソリを生き物に渡し、ソリに座ってもいないのに瞳はきらきらしたままだ。


「俺の真似してついて来い」


 お父さんはさっきと同じように魔導ソリを押して跳び乗ると、生き物も同じ動きで跳び乗る。


 一周した後は魔力を込める、生き物も同じ動きでお父さんについて行ったようだ。


「しんどいぜ!」


 お父さんは滑り終えて歩くのもやっとで、この魔導ソリは相当体力が必要みたいだ。


 それでも生き物はまだ滑っていた。

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