凶報
近衛騎士団長敗れるの報は瞬く間に国中に広がり王都にも伝えられた。
がしゃん!
「あやつめ余に泥を塗りおった」
「陛下!護衛では人類最強ですが、保護者リレーで万が一遅れを取っただけです」
「あやつを余の側に置くことは許さぬ」
宰相室では。
困ったものだ、保護者リレーに負けたからと守りの要を捨てるとはな。
だが丁度良いかもしれぬな、今あの街には姫が滞在している。
ほとぼりが冷めるまで姫の護衛でもさせておこう。
それにあの魔物が姿を消したという情報も入ってきた。
我々は数百年間、街を作り監視してきたが一体何処に行ったのだろうか?
あの魔物がいるから今迄は他国が攻めてくることがなかったのだ。
近衛騎士団長が人類最強の護衛だとしたら、あの魔物は世界最強の護衛だ。
なんとしても見つけて元の場所に連れ戻さなければ。
居なくなったとなれば戦争になる。
久し振りに街を堪能しているというのに「何で貴方がここに居るのかしら?」
「はい姫の護衛をする事になりました」
「取り敢えずその物騒な格好は止めて、誰も近付いて来なくなるわ」
「この街は危険です、フルプレートアーマーでなければ姫を護る事が出来ません」
「貴方、大丈夫?」
姫の護衛の任も解かれてしまった、今の私の使命はこの街を護る事。
その為にはまだまだ強くならなければ、まずは情報収集だ。
「物騒な奴が居るな」
「この平和な街で何をする気だ?」
「あのフルプレートアーマーはなんだ?」
「金持ちのぼんぼんか?」
冒険者組合で話されている話の中で気になる事にを聞いた。
「この間、居なくなったS級魔物の住処で宝探ししてたんだが急に霧が出て魔物が帰って来たんだ」
「残念だったな、お宝を諦めて逃げて来たんだろ?」
「ああ、でも現れたのはその一回でまた居なくなったらしい、そしてお宝も無くなったらしい」
「もう行く事も無くなったな」
「だから今ではちびの遊び場になってる」
「ちびが其処で遊んでいるのか?」
「楽しそうにな」
小さな子供がS級の魔物の住処で遊んでいるとは危険だ、辞めさせなければ。
「ここに住んでたのか?」
「何も無いわね」
今日はジャンとランと一緒にチョコの住処に遊びに来たが、チョコはころころして何処に行ってしまった。
「ここで遊ぶって言ってもな」
「そうね、かけっこ?かしら」
「ねぇ、お父さんに頼んで何か作って貰おうよ」
「それいいな俺も考えるよ」
「それは楽しみね」
「お父さんとジャンなら凄い物が出来るよ、じゃあ工房に行こう」
僕は大声を出して「チョコ!お父さんの所に行って来るから!」と言った。
チョコ、聞こえたよね?




