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孤児と魔物の暮らし方  作者: 無句読


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勝敗

 僕は保護者リレーだけに集中して規則を改めて記憶する。


 前の走者からバトンと呼ばれる棒を受け取り、走って最終走者にバトンを渡す。


 バトンは受け渡し出来る区間が決まっていて、範囲外での受け渡しは失格になる。


 速さを落とさず流れるように、走者同士は走りながら範囲内でバトンを渡す。


 バトンを落とした場合は受け手側の走者がバトンを拾うと失格なるので、渡す側がバトンを拾って受け手側に渡す。


 頭に入ってる、後は頑張るだけだ。


 次は保護者リレーです、走者は準備して下さい。


「行ってくる」


「応援するからな!」


「頑張れよ!」




 保護者リレーは丸を横に伸ばした形の外側を均等に四人で一周し、距離はジャンとランが走った速さを競う争いの四回分だ。


 各教室には二十一人の生徒がいて、その保護者が一人参加出来る。


 二十人の保護者で五周して最終走者は一人で一周するのと合わせて六周し、それを三教室で競争して勝敗を決める。


「それでは位置について、よーい」どん!と音が鳴らされた。


 各教室の保護者が大歓声の中、一斉に走り出す。


 速い!三人の保護者は、ほぼ同時に二番走者にバトンを渡した。


 ジャンとランより速かった。


 三番四番とバトンを渡すと各教室の差が開いてきて、先頭を走っていた仲間の保護者がバトンを落とす。


 バトン拾って走り出すが三位になってしまう。


 どうか先頭で僕がバトンを貰えますように。


 他の教室の保護者も日頃走ってないせいか転んだりバトンを落としたりしていが、その度に歓声が起こっていた。


 仲間の保護者が再び先頭にたったのは十五周目だった。


 其処からはどんどん差を広げ願いが通じたのか、先頭で十九周目の走者が走って来くる。


 僕は走り出し腕を後に向けて手を広げ、ばしっ!という音と手の感覚と共にバトンを受け取った。


 思い通りだ!流れるようにバトンの受け渡しが出来た!


 全力で走り前には誰もいない、後は最終走者にバトンを渡すだけだ。


 とその時、歓声が上がり一瞬で二人の保護者に抜かされて最終走者にバトンを渡されてしまった。


 あっという間に半周の差をつけられて僕は呆然とするとバトンを渡す範囲内ではあったが最終走者の手前で前のめりに倒れた。


「頑張れ!」


 お父さんの声が聞こえた。


 転んでもバトンだけは離さない必ず最終走者にバトンを渡すんだ。


 僕のせいで負けてもバトンだけは繋ぎたいと立ち上がろうとするが、手からバトンが消えていた。


 ごめんジャン、ランそして保護者と教室のみんな、僕はバトンを繋ぐことが出来なかった。


 そして一位のどん!という音が鳴らされ再び大歓声が巻き起こったのだった。

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