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孤児と魔物の暮らし方  作者: 無句読


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運動会

 どん!どん!どん!どん!


 空に音が響く。


 今日は僕が楽しみにしていた運動会で、皆で早朝からお弁当作りをしている。


 この日の為に、お宝を探したり登録しに行ったり害虫を捕まえたり契約したり。


 全部関係なくない?結局何もしないまま運動会当日を迎える事になった。


「よし!ジャン、ラン今日は頑張ろう!」


「デコと競争出来ないのは残念だが優勝するぞ」


「一生懸命やって優勝しましょ」


 僕達は溢れる闘志を剥き出しにして決戦の場に赴くのであった。




 これより運動会を開催します。


 ぱち!ぱち!ぱち!ぱち!


 拍手が響くその中で一際、異彩を放つ集団がいた。


「うおー!」


 観客席から叫び声のような歓声が響く。


 これから戦場に行くかのような、戦士達を鼓舞するような怒号が僕の隣からびりびりと伝わる気迫。


 お父さんだ!この日の為に家族で応援しに来てくれた。


「うおー!」


 僕も負けられないと怒号を発した。


 早速、生徒達の競争が始まると皆、一生懸命に楽しそうに走っていた。


 今やっているのは速さを競う争いで短い距離を速く駆け抜けた者の勝利で、勝った者どうしが順次対戦して勝者を決める争いだ。


 ジャンとランは順調に勝利して最終決戦、学校最強を決める競争になった。


「おちび達は本気だな」


「本気?」


「身体強化魔法を使ってるな」


「身体強化魔法?」


「自分の身体を強くする魔法で強化して速く走ろうって事だ」


 今でも十分速かったのにまだ速く走るの?ジャンとランは位置に着く。


「やっぱり最後はランか」


「ジャンに勝てば最強ね」


「それでは位置に着いて、よーい」


 どん!


 一瞬で勝負は着き僕にはどちらが勝ったか分からなかったが、ジャンはランの腕を掲げた。


「ラン優勝おめでとう」


「ありがとうジャン」


 大きな拍手と大きな叫び声が響き渡り、僕も感動したがそれ以上に恐怖した。


 僕の出る保護者リレーは各教室の得点になるので大人が本気で走っくるし、負けたらジャンとランの教室の得点が低くなる。


 教室の団体優勝の為には負けられない、でも勝てる気がしない。


 前半の競争が終わり、お弁当を食べたら後半戦だ。


 生徒達はそれぞれ保護者の所でお弁当を食べていた。


「ジャン、ラン見てたよ凄かったね」


「ランに負けたけど次の競争では俺が勝つ!」


「次も負けないわ!」


「デコ保護者リレーの走る順番を言うぞ」


「デコは最終走者の一つ前だ」


「え!」


 ジャンから聞いた言葉に驚いた。


 僕が差をつけられたら最終走者でも挽回出来なくなる。


「デコ、リレーはみんなで繋ぐ競争よ、みんなで頑張れば必ず勝てるわ」


「僕は一番遅いと思う」


「大丈夫だ!最終走者は世界一速い」


 ジャンが僕を勇気付ける為に言ってくれた言葉は何より嬉しかった。

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