害虫
チョコは悩んでいた。
折角走りまわるチョコレート工房を作って貰ったのに…
「苺が欲しい」
僕はチョコの悩みを解消する為、教会に向かった。
「みんな!おはよう!」
ドナとイチゴに挨拶をして相談をする。
「イチゴ、まだ苺はあるかなぁ?」
「何だ?また欲しいのか?只ではやらんぞ」
「うん少し買いたいんだ」
「苺は安くは無いぞ、お前に買えるのか?」
「これで買えるかなぁ?」
「これなら五個ぐらいしか買えないぞ」
「本当?良かった!」
僕のお小遣いがもっとあれば沢山買ってあげられるのにな。
「お前この前の約束を覚えているか?」
「約束?」
「やはり忘れていたな、苺とお前等の作ったお菓子と交換だと言ったはずだ」
そうだった、すっかり忘れてた。
「お前等のお菓子大会の噂は聞いた。お菓子大会で作った物と違う物がいい」
「分かったよ」
「私はお菓子大会のが食べたい」
こうして今日はイチゴの家に集まる事になり、一度家に戻り何も入ってない鞄を背負ってまた出掛ける。
「じゃあ行って来るね」
「…」
僕はイチゴの苺農園に向かった。
「イチゴ来たよードナも」
「早かったな」
「デコ!待ってたよ」
まだいっぱい苺が実っていて、僕は買う分の五個を摘み取る。
ドナの方を見ると籠いっぱいに苺を摘み取っていた。
「ドナそんなにいっぱい」
僕は摘み取った五個の苺を見て悲しくなった。
苺狩りが終わり休憩していると、あちこちから声が聞こえて来る。
「やられた!」
「こっちもやられた!」
「あっちに行ったぞ!」
どうしたんだろ?苺農園で働いている人達が騒いでいる。
「苺に寄ってくる害虫を駆除してるんだお前のようにな」
「そうなんだ害虫にとっても苺は美味しんだね」
「きゃっ!」
「ドナ!大丈夫!」
「足元に何かが通り過ぎていったわ」
苺の葉がざわざわ動いている。
「そっちに行ったぞ捕まえてくれ」
「えいっ!」
僕は両手でざわざわ動いている苺の葉ごと害虫を捕まえた。
「捕まえたよ!」
僕は大きな声を出して皆に知らせた。
苺農園の人達は苺農園を見て回って状態を確認している。
「やられた!こっちは全滅だ」
「こっちもだ、これは相当な被害だぞ」
「そんな俺の苺が…」
害虫に食い荒らされて一つ残らず苺が無かった。
イチゴが怒り狂った顔でやって来る。
「害虫をよこせ!その害虫は俺が駆除してやる!」
イチゴがそう言うと僕の手の中から害虫が這い出て来て、僕は血の気が引いた。
その害虫は僕の手から体をよじ登り頭の上に登頂する。
「苺いっぱい採った」と嬉しそうに言った。




