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孤児と魔物の暮らし方  作者: 無句読


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真実

 お菓子大会委員には多くの苦情が寄せられて何故こんな事になったのか。

 

 上層部に問い合わせても応えが返ってくる事は無く、時間だけが過ぎて領主の館では上層部の会議が開かれていた。


「大変な中、お集まり頂きありがとうございます」


 領主自らの挨拶で始まった会議に集まったのは審査員を務めた五人だ。


「今回の決断をした姫からお話を始めて頂きます」


 そう鑑定結果を秘匿したのはポチだった。


「緊急事態でしたが、皆様が口裏を合わせる事で危険を回避する事が出来ました。その事に感謝しています。私は孤児院が作ったお菓子を事前に頂いていました。そして大会当日に作ったお菓子を見て危険を感じたのです。何か違うと鑑定結果を公表せず実食もせず、皆様に一点を付けて欲しいとお願いしました。その経緯と真実をお話します。孤児院の子供達が作ったお菓子はとても美味しい物で、これなら優勝出来ると思う程に。皆様も知っての通り、大会当日に一人の子供が熱を出して参加出来なくなり、その子が道具を使って作る筈だったので他の子が代わりにお菓子を作りました。出来上がったお菓子は見た目は同じ物でしたが、鑑定結果は食用で人族が食べるのは不可能という事でした」


 其処で五人の前にお菓子が運ばれて来る。

 大会当日に作られたあのお菓子だ。


「私が食べたお菓子です。孤児院で特別に作って頂いたので食べてみて下さい」


 食用だが人族が食べるのは不可能と聞いて手が進まない。


「私が食べましょう」


 姫はそのお菓子を口に入れて、んもんも言い出しその声を聞いた四人はそのお菓子を吐き出させようと動く。


「んも美味ちんもんも、んも美味ちんもんも」


 姫は口が回らず美味ち美味ちと言っていた。


 唖然とした四人もお菓子を食べて姫の影響か美味ち美味ちと言っていた。




 彼奴の娘と会議から冒険者組合長室に帰って来た。

 

 冒険者組合では変な噂話が広まっていたが、真実を知ったので噂が治まるまで放って置く事にした。


「あの姫はまだ何か隠していたな」


「はい、食用なのに人族が食べれないなんて、どういう事なんでしょうね」


「お菓子を食べた事で意識を逸らされてしまったな」


「ですがとても美味しかったですね」


「そうだな、これからはデコだけじゃなく孤児院を監視する必要があるかもな」


「これからも美味しいお菓子を作る筈ですからね」


この事がきっかけで王都でのお菓子大会は噂が噂を呼び、もう一度大舞台に引き上げる事になる。


 さらに力をつけて、さらに力をつけた強力なお菓子と共に。

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