大会
お菓子大会、当日ジャンは布団から起き上がれずにいた。
「ジャン熱があるわ。今日は休みなさい」
「院長先生、今日はお菓子大会があるから俺はお菓子大会に行く」
ジャンは這ってでも行くが院長先生は優しくそれを止めジャンは泣いていた。
ジャンがどれだけ頑張っていたか知っているから、僕も涙を拭いてジャンと約束する。
「僕達は必ず優勝する」
家を出て会場に向かうと、秋なのに汗ばむ程暑い。
「ジャンの為にも負けられないわね」
「うん」
ランも目を腫らしていた。
「只今よりお菓子大会を開催する。この大会で優勝した組は、王都で行われる世界大会に出場する権利が与えられる」
「それではお菓子作り、始め!」
四組による闘いが始まり大勢の観客が見守る中、僕達はお菓子を作り始めた。
「おい孤児院が二人しかいないぞ」
「規則違反じゃないのか」
「だけど三人より二人のほうが圧倒的に不利だぞ」
「お菓子大会委員がお応えします。孤児院の組の一人が参加出来なくなってしまいました。新たに一人を参加させる事が出来ると知らせましたが二人で出場したいとの事で二人での出場を認めました」
「孤児院!二人でも頑張れ!」
観客から声援が飛ぶ。
「あのちび何でお菓子大会に出てるんだ?」
「下っ端冒険者見習いがなんで?」
「下っ端商業見習いがなんで?」
「は?何言ってやがる」
「は?そっちこそ何言ってんだ」
「ゴーレム襲撃事件の立役者だぜ!」
「芋でお菓子を作ろうとした奴だぞ!」
「何だと!芋でお菓子なんてあり得ねぇ」
「何!ゴーレム襲撃事件こそありえない」
「そんな事より見ろ!孤児院は容器に苺を入れて熱で溶かした黒い物を流し込んでいるぞ」
「苺が台無しだ」
「真っ黒になってるじゃないか」
「あの黒いのは何だ?」
よし!これで型を取り付けて回し終わったら、型からチョコレートを取り出す。
「うわチョコレートが固まってない」
どろどろのままで固まらない、なんで?
「デコ!チョコレートは冷やさないと固まらないわよ」
「でも」
「ジャンは冷やしながら回してるのよ氷の魔法を使って」
そんな!水で冷やしている時間は無いと何回も挑戦するが、どろどろでも固まらない。
「おかしいぞ、あのちび」
「一人事をぶつぶつ言って」
「大丈夫か?」
「止めた方がいんじゃないか?」
僕は何回も見てきたジャンの姿を思い浮かべて魔法を放った。
「やった成功した」
チョコレートを五個作り終えた。
「其処まで!」
僕はふらふらしてその場に座り込んだ。
「やったよラン 」
「デコ頑張ったね」
でもランは泣いている。
どうしたんだろ?僕はランを見つめて、そして気付いた。
ごめんジャン約束…




