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孤児と魔物の暮らし方  作者: 無句読


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完成

 抜け殻の透明な部分だけをお父さんが力を入れて、やっと切る事が出来た。


「この殻はとんでもなく硬いな、俺でさえやっとだ」


「こんにちは」


 休憩しているとジャンとランと院長先生まで工房に来た。

 

 ジャンが待ちきれなくて皆で冒険者組合に行って工房に来たらしい。


「おちび材料の用意が出来たぞ」


「はい」


 ジャンは嬉しそうに作っていく。


 このまわるチョコレート工房は仕掛けが多く正確に作らないと動かない。


 まだジャンには技術が無く作っても中々動かなかった。


「おちび傾いてるぞ」


「え?真っ直ぐにしてる筈なのに」


「姿勢が悪い!真っ直ぐ立ってみろ」


 お父さんは物作りの基本を教えてジャンは技術や姿勢など土台から学んでいた。


 ジャンには遊びに関する物なら物作りでも加護の恩恵がある筈だが、お父さんには敵わない。


 それでも凄い速さで学んでいった。


「後は魔物の素材を使った容器作りだな」


 この素材は熱に弱いと言っても、鉄を溶かす窯に入れても柔らかくなるくらいだ。


 柔らかくなったら型に入れて冷えると型の形のまま、また元の硬さに戻る。


 型を二つ作って蓋をするように合わせたら完成だ。

 

 まわるチョコレート工房に型を取り付け取っ手を回す。


 ががががが!ばきっ!


「あっ!」


 動かす仕掛けの部分が折れてしまい型の大きさに合ってなかったみたいだ。


 が、が!ばきっ!


「調整が難しいな」


 だがジャンは楽しそう、僕も取っ手を回してみたい。


 くるくる、くるくる、くるくる、くるくる

 くるくる、くるくる、くるくる、くるくる


「ジャン僕もくるくるしたい」


「デコ、ラン回してみてくれるか」


「おー楽しい」


「わー楽しいね」


「うわー目が回る」


「うおー回れ」


「お兄ちゃんそんなに回したら壊れちゃうよ」


 ごごごごご!ばきっ!


「あっ!」


 どーん!


 型ごと、ぽーんと高速で飛んで行って壁に激突した。


 それからジャンはお兄ちゃんが回しても壊れないように頑丈に作り、皆でくるくるして楽しんた。


 そうして遂に完成した。


「お菓子を作ってみようぜ」


 僕とランはチョコレートの準備をすると、お父さんに止められてしまった。


「お前は駄目だ」


「え?何で?」


「お前はお菓子大会にでるんだろ?」


「お父とお母だって出るのに。私だってこれ楽しみなの」


「父さんと母さんはお前の支援で、おちび達の不利になる事はない」


「私だって」


「駄目だ」


「…分かった」


 商業組合長は工房を出てしまった。


「僕達は大丈夫です」と言おうとしたがお菓子作りが成功したら娘の手伝いをすると笑顔で言われた。


 そして無事にお菓子作りが成功した。

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