帰還
街に入る手前で道に大きな穴が出来ていて、それを見た冒険者達と大男は大笑いしていた。
僕達は大勢でいたせいか魔物の抜け殻を持っていても、すんなり街に入る事が出来た。
僕は街の衛兵に話を聞いた。
「あー凄い戦闘だったよ」
「お父さんは大丈夫ですか!」
「お父さん?ゴーレムじゃないドワーフの事か?」
「はい」
僕は話を聞きたいのに冒険者達と大男がうるさい。
「聞いたか?ゴーレムだってよ」
「がっはっはーお前等は攻撃されるかされないかで賭けていたのがそもそも間違いだ。どんな魔物と間違われるかを賭けるべきだったな」
「違いねぇ」
「だっはっはー」
「がっはっはー」
もう静かにしてよ。
「それでどうなったんですか?」
「それがゴーレムに攻撃してもびくともしなくてな。ゴーレムの怒号がすると冒険者組合長がウォーターアローで攻撃して、ゴーレムの石や泥が洗い流されてな」
「それで?」
「それでドワーフが出てきたって訳だ」
「ゴーレムからドワーフが出てきたってよ」
「だっはっはー」
「がっはっはー」
取り敢えず安心した僕はお父さんがいる冒険者組合に向かった。
大男が魔物の抜け殻を担いでたからか一瞬緊張が走った。
「すみませんお父さんは何処ですか?」
「お父さん?」
「ドワーフのじじいだ」
「誰も通すなと言われてますがデコ様が来たら組合長室に来るようにとの事です」
僕は急いで組合長室に入る。
「失礼します」と目に飛び込んできたのはお父さんとお母さんの謝る姿だった。
「お父さんお母さん」
僕は二人に抱き着いた。
「おちび心配掛けたな」
「おちびちゃん心配掛けたね」
「おちびは大丈夫だったか?」
「うん、お兄ちゃんも大丈夫?」
「商業組合長にもご迷惑を掛けました」
「うん、あまり迷惑掛けちゃ駄目だよ」
「冒険者組合長ですか?心配掛けてすみませんでした」
「お前達は厳重注意だ。勝ってな真似は許さん!これからは常に組合職員に行動を報告しろ。以上だ」
「はい!お父さん、お母さん、お兄ちゃん工房に帰ろう」
「ああ皆で帰るか」
帰ろうとするが扉の前に商業組合長が立っていて、何故かぷるぷる震えていた。
「おちびちゃん?何処行くって?」
「みんなで工房に帰るんです」
「私を置いて?」
「え?」
「おちび俺の妹だ」
「え?えー!」
「こん餓きゃー!」
「がっはっはーお!やっと終わったか」
「はい、僕は工房に帰ります、報酬は抜け殻の半分でいいですか?」
「がっはっはーそんなもん貰ったってごみになるだけだ」
「…ごみ」
「がっはっはー組合から救助依頼の報酬を貰ったからな、これでどうだ?」
「はい、ありがとうございます」
「がっはっはーそれにじじいから酒の肴をたんまり貰ったからな。お前等、今日は俺の奢りだ」
「やったぜ!今日は飲むぜ!ゴーレムに乾杯!」
「だっはっはー」
「がっはっはー」
「…」




