貴族
ドナとイチゴに意見を聞こうと教会にやって来たが何か物々しい雰囲気で、教会の入口では兵士が立っていて身分を確認している。
「次の方、名前と身分の提示をして下さい」
「デコです、んーと」
今日は冒険者組合にも商業組合にも行かないから家に置いて来た。
「すみません、何も無いです」
「今日は貴族の方がお見えになるので身分が分からない方は教会に入る事は出来ません」
「貴族ですか?」
「はい」
どんな人か見てみたかったけど仕方ない。
みんなで食べようと思ってたポテトチップスを食べながらとぼとぼ帰っていると、馬に乗った兵士と馬車がやって来た。
何だろ?道の脇で止まって馬車を見つめると小さな女の子と目があって、馬車を見送っているとすぐ止まってしまった。
どうしたんだろう?と思っていたら馬車から女の子が降りて来ると、話したそうな顔をしていたので挨拶してどうしたのか聞いてみる。
「貴方の食べている物が気になったの」
「僕の食べてる物?これ?」
「そう」
「食べる?」
「お待ち下さい」
「何?」
「見ず知らずの人から食べ物なんて危険です」
「この子供が何かするとでも?」
「何もしなくても危険があるかもしれません」
「大丈夫です」と僕は目の前でポテトチップスを食べて見せた。
ぱりっ「…」
ぱりっぱりっ「ちょっとやっぱり私も食べたい」
「いけません」
ぱりっぱりっぱりっぱりっ「あっ!全部食べちゃった」
「…」
僕もお嬢さんの時と同じく手が止まらなかった。
女の子を見ると目に涙を溜めていた。
「ごめんなさい」
「もういいわ」
馬車に戻ろうとする女の子を呼び止めた。
「良かったら僕の家でお菓子を作りませんか?」
「お菓子を作るですって?」
「はい、このお菓子は僕達が作ったので」
「私にも出来る?」
家はここから近いので歩いて行く事になった。
「院長先生!友達とお菓子作っていいですか!」
兵士の人も一緒に来たので院長先生はびっくりしていた。
「じゃあ芋を洗おう」
「え?芋?」
「洗ったら薄く切って水を取って油で揚げて塩を振り掛けたら完成だよ」
「薄く切れないわ」
芋を半分じゃ厚過ぎるので僕が半分の芋を薄く切る。
「水を取ったわ」
綺麗な布で芋の水を取り。
「油の中に芋を入れたわ」
じっくり揚げて。
「塩を振りかけたわ」
ポテトチップスの完成だ。
「じゃあ食べてみて」
ぱりっ「んんんんんー美味しい!」
「やったね!自分で作ったから更に美味しい筈だよ」
ぱりっぱりっ「んー」ぱりっぱりっぱりっぱりっ「無くなっちゃったー」と凄い笑顔だった。




