表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
孤児と魔物の暮らし方  作者: 無句読


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

223/223

 僕はジャンのアイスの歌を聴いて、鼻歌から卒業しようと教会の音楽教室に行く決意を固める。


 歌を歌う事に恥ずかしさを覚えていたが、ジャンの堂々とした歌う姿に感動して僕も歌ってみたいと思っていた。


 教会で待っていた喜ぶドナと嫌がるイチゴと一緒に音楽の教室に入る。


 講師の先生によると、音楽には器楽と声楽があり、一番身近な自分の声を出す事から始まる。


 綺麗に声を出す為には発声練習が必要であり、先ずは一人ずつ「あ〜」と発声してみて下さいと言われ声を出してみる。


「あ〜」と発声して流石にこれくらいは誰でも出来るよとドナとイチゴも後に続いた。


「あ〜」「い〜」「う〜」「え〜」「お〜」とそれぞれ発声すると次の段階に移りましょうと言われる。


 もしかして僕達は優秀な生徒で、将来は歌い手に成れるかも知れないなと笑みが溢れた。


 次に「あ〜い〜う〜え〜お〜」と言葉を発音して下さいと言われ声を出してみる。


「あ〜いう〜えお〜」


 講師の先生の後に続き意識して声を出すと以外と言えていないのが分かる。


 口の開き方や舌の使い方などを指摘されるが大きく口を開いて話す事も無いし、意識して舌を使うのはソフトクリームを舐める時だけだ。


 これは思っていたより難易度が高いと思考していると笑い声が聞こえる方に振り向く。


 イチゴが腹を抱えて爆笑し、ドナは口を抑え咳き込んでいるが顔が笑っている。


 なんて失礼な!もう友達じゃない!と振り戻り、講師の先生に今の発音は如何でしたか?と尋ねてみた。


「音痴です。それも重度の」


 音痴?講師の先生は何を言ってるんだ?初めての発音で少し緊張しただけなのに…


 そんな筈は無いと次に「か〜きく〜けこ〜」と発音するが笑いを誘うだけだった。


 続いてドナとイチゴの順番が来ると僕の発音を笑うくらいだから、それなりに出来るんだろうな?それとも、にやっと笑わせてくれるかも知れないな。


 先ずはイチゴの声に耳を澄ませると初めてなのに講師の先生に近い発音で驚きを隠せない。


 次にドナの声に耳を澄ませると言葉が踊り出したような感覚に陥り、歌を歌っているようだった。


 僕は才能の差に絶望していると、ドナは小さな頃から教会の聖歌を歌っていたから練習すれば出来るようになるよと励まされる。


 そうだ!僕はいままでも困難な事を努力で乗り越えてきたじゃないかと奮い立つ。


 発声と発音を繰り返し練習するとイチゴは腹筋を押さえながら倒れ、ドナは笑顔のまま顔を硬直させてしまい、僕の声にも異変が起きていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ