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孤児と魔物の暮らし方  作者: 無句読


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221/223

大惨事

 俺は鍛冶職人として色々な武器を作ってきたが、こんな剣は初めてだ。


 まさかあれが武器になるなんてな…


「…ソフトクリームてんこ盛りです」


 ちびから俺の為に作ってくれたあれを手渡されると、ずっしりとした重さを感じる。


 そして、あれを食べようにも剣先は俺の遥か頭上にあり、「どうやって食えっていうんだ」と声を出す。


 ちびは舌を出す仕草をして俺を挑発してきたと思ったが、どうやらあれを舐めろという事らしく生まれて初めてあれを舐めた。


 舌から伝わる冷たさと甘苦さが、俺を夏の猛暑から冬の楽園へと導いてくれる。


 こうして見ると確かにすげぇが、高さならステーキのてんこ盛りの方が上だなと余裕を見せて舐め進めると異変に気付く。


 持っている手にあれが付着し、夏の暑さに負けて溶け始めている。


 そうか!あれのてんこ盛りは早さとの勝負だったんだと気付き、急いで舐めるが既に手があれまみれだ。


 そして、手元の剣身を舐め過ぎたせいであれが俺の方に傾いてくると、咄嗟にもう片方の手で倒壊を食い止めるも剣先が折れて見上げていた俺の顔面を直撃する。


 なんてこった…てんこ盛り恐るべし…


 それから倒壊しないように回しながら均一に舐め続けると、長剣から針のような細剣になり短剣になるまで舐め回した頃に新たな鍛冶職人がやって来ると、俺の姿を見て大笑いしていた。


「ちび!俺にも同じ物を頼む」


「…かしこまりました」


 こいつはてんこ盛りの恐ろしさを知らねぇ坊やで、笑っていられるのも今のうちだ。


「…ソフトクリームてんこ盛りです」


「おい!こんなでかいなんて聞いてねぇぞ!」


「何言ってやがる!俺と同じ物だ!」


 鍛冶職人の坊やは俺のあれを見て全然違うじゃねえか!と異を唱えるが間違いなく同じ物だ。


 ちびの手に掛かれば巻の回数や高さまで同じに仕上げられる。


 結果もやはり俺と同じ、いや俺より酷い有り様で全身があれまみれになっていた。


 俺は腹を抱えて笑っていると異変が起こり、冷たい物を大量に食べた為に腹が悲鳴を上げていた。


「やべぇ!」俺のあれが外に出たいと、きゅるるるると叫んでやがる。


 あれを食べてあれを出すとはこの事だと用を済ませると鍛冶職人の坊やも駆け込んで来て、同じ物を食べれば同じ事が起こり得る。


 俺はソフトクリームが一位になった理由を身を挺して体験し、食べ過ぎても大変な事になると思い知ったのだった。


 それでも次の日になると猛暑に耐えられずあれを頼んでいた。


 勿論、長剣では無く短剣のあれだがな…

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