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孤児と魔物の暮らし方  作者: 無句読


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混ぜて

 魔牛乳を使った冷たいお菓子と聞いて心踊らない筈は無い。


 ジャンとお父さんは、まぜてアイス工房の製作に取り掛かっていて、僕とランも楽しみにしていたが、それが完成すると僕は呆気に取られてしまう。


 何という事だ!僕のミスリルの板とミスリルのへらにそっくりではないか!


 もしかして、僕はジャンの一歩先を歩んでいたのか?凡人が天才に勝った瞬間だと鼻が高くなる。


 ランが材料を買って来ていたので早速アイスを作る事になった。


 材料は魔牛乳と卵と砂糖で、容器に魔牛乳と卵を加えて混ぜて、更に砂糖を加えて混ぜる。


 それを鍋に移し、弱火で加熱して冷ますとアイスの元になる溶液の出来上がり、氷魔法で冷やすとアイスになる。


 ランの話を聞いた限りでは、まぜてアイス工房は必要無いのでは?と思った通りにランがアイスを作ってしまった。


 皆でアイスを試食すると、冷たい!甘い!美味しい!と声が上がる。


 ジャンが次は俺の番だな!と言うとまぜてアイス工房に、昨日ランが作っていたチョコレートを練り込んだ堅めの焼き菓子を載せて、余ったアイスの溶液を焼き菓子の上から流し込んで魔力を込める。


 以前のまわるチョコレート工房は氷魔法が必要だったが、魔力を込めるだけで氷魔法が発動するように改良され、まぜてアイス工房も同じ仕様になっていた。


 へらを使い、こと!こと!こと!と音を鳴らしながら素早く焼き菓子を砕き、アイスの溶液と混ぜると徐々に固まって水気が無くなったら完成だ。


 焼き菓子が入ったアイスを試食すると、ざくざくとした食感とチョコレートの味が加わり、僕の高くなっていた鼻がぽっきりと折れた。


 天才ジャンに敬意を表していると焼き菓子アイスを見詰める者がいて、その者は天才ジャンに近付き懐から苺を取り出しランから助言を与えられると、更に懐から苺ジャムを追加する。


 苺ジャムにアイスの溶液が混ざり合って桜色になり苺アイスが完成すると、その上に大きい一粒の苺が載せられた。


 その者は苺アイスを食べようとするが天才ジャンに制止させられ唸り声を上げる。


 天才ジャンは混ぜてアイス工房の上に溶かしたチョコレートでその者の似顔絵を描き、冷やして固めると苺アイスの脇に突き刺して完成させる。


 その者は直に食べるかと思っていたが苺アイスを見詰めて感動しているようだ。


 天才ジャンは、その者の苺と苺ジャムを分けて貰い、それぞれ僕と自分とランの似顔絵付き苺アイスを完成させた。


 混ぜてアイス工房の創意工夫は無限大で、何よりジャンが楽しそうにアイスを作っているのが印象的だった。

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