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孤児と魔物の暮らし方  作者: 無句読


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200/223

第一人者

 又しても恐ろしい夢を見た。


 大将と幼子がお菓子を次々と作り私の口に放り込んでくる夢で、お菓子は暫く見たくも無いし何故かお腹が苦しい。


 地を這うように部屋から出ると変な生き物と目が合う。


 ばんばん!とソリを叩き乗れと合図され、助け船ならぬ助けソリだが乗り込むと行き先を告げる。


「ドワーフの工房まで頼む」


 確かジャン先生はソリを作った第一人者でドワーフと一緒にソリを造っていると聞いていて、変な生き物のソリはジャン先生の作品で居場所を知っていると予想する。


 変な生き物は目を輝かせながら宿を後にするとソリの揺れが心地よく眠りについてしまい目を覚ますと工房の前に着いていた。


 どん!と扉を開き工房に入るとドワーフが見守る中、大将が鉄を打っていて、まさかジャン先生というのは大将の事だったのか!と名前を呼ぶ。


「ジャン大将!」


 大将は様子がおかしくなり私の脇に差してある父から託された王剣を引き抜き炉に焚べる。


「私の王剣がぁー」


 一瞬にして剣が溶けると金槌で何度も打ち付け気付けば鉄板の様になっていた。


「ミスリルの王剣が鉄板、いやミスリル板に…」


 更に大将は小さな炉を持ち出しミスリルの板を載せ肉を焼き始めると工房に肉の匂いが立ち込める。


 ドワーフは焼き上がった肉を食べ合格だと叫び大将の肩を叩くと正気を取り戻した。


 悔やんでも王剣は戻って来ないならば、このミスリルの板で鍛冶大会に出場しないかと提案すると大将は鍛冶大会に出場する為に努力していたらしい。


 ドワーフが合格と言うようにミスリルを打てる職人は殆ど居なく父の話では、この王剣はドワーフ王が打った物だと鑑定結局が出ていると聞かされていた。


 つまり大将の技術はドワーフ王に匹敵するという事だ。


 大将を鍛冶大会に出場させる事は出来たが、代々受け継がれた王剣が無ければこの国の王になる事は出来ない。


 項垂れているとドワーフが何も無い所から剣を出し、それを代わりに貰ったが王剣の様な優雅さは無く何処にでも有る様な剣だったが護身用には十分だろう。




 宿に戻り食堂に行くと虚ろな表情の副団長を見つけ、そろそろ王都に戻ろうと話をすると涙を流し抱き着かれた。


 何があったか知らないが辛い経験をした事は感じ取れるし、木こりの仕事が副団長を成長させたのは間違いない。




 次の日、辺境の街の最終日は妹に会いに行こうと決めていて、領主の所に向かったが妹は視察で苺畑に行っていると聞いた。


 今は苺の季節では無いが、美味しい苺が食べたいものだ。

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