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孤児と魔物の暮らし方  作者: 無句読


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人探し

 あれから回復に努めて腹が全開したので、今回の旅の目的で有るジャン先生とラン先生を探すとしよう。


 先ずは情報を集める為と昼食を頂く為に食堂に行くが客で溢れ返っていて座るどころでは無い。


 溢れている客に理由を尋ねると今日はラン先生によるお菓子作り教室が開かれていて、ついさっき終わったと言う。


 ぞろぞろと食堂から人が出てくると誰も居なくなった食堂に入り肉以外の料理と本日限定、気紛れお菓子を注文する。


 ついさっき迄ここにラン先生が居たかと思うと無性にお菓子が食べたくなりラン先生と会って話をしてみたかったが、これも巡り合わせかと諦めた。


 料理が運ばれて来きて従業員にお菓子作り教室について聞いてみると、この教室では才能の無い者でもお菓子を作れる様にラン先生が指導してくれるらしい。


 見知った者が多かったのは、明らかにお菓子の才能など無いであろう冒険者達であったので事実なのだろう。


「私にもお菓子が作れるだろうか」


 ぼそっと声を出してしまい誰も聞いていないだろうと思ったが返答が返って来た。


「誰でも作れますよ」


 声のする方を見ると幼子が此方を見ていて、きっとラン先生の教室でお菓子が作れる様になり誰かにお菓子作りを教えたいのだろう。


 幼子の意を汲み取りお菓子作りをしてみたいと提案すると幼子は微笑み、作りたいお菓子は有りますかと問われ思わず桜餅と答えてしまった。


 食べた事が有るので分かるが桜餅は素人が作れる物で無いのは明らかで幼子も困惑の表情をしてしまうが材料が届けられると笑顔で話し出す。


「今回はあんこと餅と桜の葉を用意したのであんこを餅で包み桜の葉を巻き付けましょう」


「成る程!それなら私でも出来そうだ」


 幼子は手を動かし器用に桜餅を作っていくので私も簡単に出来るものだと思ったが、これがかなり難しい。


 あんこを餅で包むが、あんこが飛び出して見映えが悪く形も歪で大き過ぎるせいか桜の葉が巻かさらない。


 桜餅が完成し幼子が作った物と並べられ天と地の差とはこう言う事なんだと肩を落とすが、そこにもう一つ注文していた気紛れお菓子の桜餅が並ぶ。


 それは紛れも無く以前食べた桜餅であり私の予想が正しければ、この桜餅こそラン先生の作品だろう。


 その造形は禍々しく渦を巻いていて美しい桜色のあれを連想させ、遊び心がふんだんに盛り込まれている芸術品だ。


 私は夢だと思い込んでいたが全ては現実だと気付いて名前で呼ぶ事にした。


「ラン大将!会いたかったです」


 何故、名前や先生では無く大将と呼ばれていたかは無用な人目を避ける為だろうと推測する事が出来る。


 しかし、桜餅を並べ終えた大将の様子がおかしくなり、隣にいる幼子も波動を放っていた。

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