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孤児と魔物の暮らし方  作者: 無句読


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お忍び

 国が平和になるとこんなにも街が発展するのかと身分を隠し城下街を散策して人気のお菓子屋に寄り、お菓子の詰め合わせを買い鍛冶屋に顔を出す。


「どうだ?大会で勝てそうな物は出来たか?」


「正直、厳しいです。相手がドワーフでなければ勝つ自信はあるのですが」


 国の権威を示すのにドワーフ王国で行われる鍛冶大会で優勝せよと無理難題を仰せつかったが…


「一層のこと師匠にお願いしたほうが良いと思います」


「お前の師匠はドワーフだったか?今回は人族でとの仰せだからな」


「ならジャン先生にお願いしてみては?師匠と共同でソリ等を作っている筈です」


「ジャン先生か…」


 年端もいかない子供でソリを発明した天才だと聞いているが、加護の恩恵があれば優勝の可能性もある。


 魔物の住処に近くで辺境の街に住んでいて以前なら魔物が頻繁に出没し危険地帯な為、容易に行き来する事が出来ない場所であった。


 今では魔物はダンジョンでしか見かけない程に消え去り、冒険者達は生活するのが困難になったと聞く。


 安全に辺境の街に行ける今が良い機会で、妹も滞在しているので会いに行ってみるか。


「お菓子の詰め合わせを買ってきたので食べてくれ」


「ありがとうございます。ここのお菓子は中々買えなくて食べたかったんです」


「そうなのか?お菓子に疎くてな」


「お菓子大会に出場していたら絶対に優勝していた筈です」


 妹が主催していたお菓子大会は大いに盛り上がったと聞いたが優勝候補は出ていなかったんだな。


 少し興味が沸いてお土産として渡した物だが一つ頂くと、もっちりした甘めの餅という物にきな粉という粉を絡ませたわらび餅というお菓子でとても美味しい。


 妹や貴族が夢中になる筈だと感心していると、このお菓子を作ったラン先生という者も辺境の街にいるという話だ。


「これだけ美味くて人気があれば金持ちになれるな」


「ラン先生は今は全てのお菓子に特許を取ってません。そして全てのレシピを公開している素晴らしい方です」


 何だと!まるで金に興味は無く自分が作った物が一番美味いと宣戦布告しているようだが、一度会ってみたいものだ。


 そうと決まれば陛下に許しを得て辺境の街に行くとしよう。




 近衛騎士副団長と共にお忍びで出発したが本当に魔物も出ないが新しく出来たダンジョンのせいで、たちの悪い冒険者も集まっているらしく気を付けなければならない。


 ダンジョンと辺境の街に向かう分岐点に休憩が設置されていて休む事にしたが冒険者と思われる者達もいる。


 耳を傾け話を聞いてみたがダンジョンの中は巨大な迷路になっていて、お宝に有り付くのが困難な上に変な生き物に邪魔をされたらしい。


 冒険者達は王都のA級冒険者の印を付けていたがダンジョン攻略に手こずっているみたいだ。


 強い魔物もいるようなので取り敢えず辺境の街に向かおう。

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