償い
きっと家族は枝切りでは無く裏の厨房で無断のお菓子を作らされている
犯罪に手を染めては何時までも罪を償う事など出来ない
「ちび このお菓子は無断で作る事の出来ない物だ」
「はい 以前は使用料が掛かっていたみたいです」
ちびは今は使用料が無いと言いたいのか?
そんな筈は無い
それに以前から使用料が掛かると知りながら犯罪を犯している
重罪だ
ちびはまだ小さい
罪を償えばまだやり直せる
「ちび 俺と一緒に罪を償おう」
「罪ですか?」
「あぁ 俺も無断でお菓子を作って牢獄に入っていたんだ」
「ちびも無断で作っていたんだろ?」
「お菓子を作った本人と話をして許可は取ってます」
「それを信じろと?」
「ちびがラン先生と直接話せる訳無いだろ!」
「ラン」
「先生?」
何だ?いきなりちびの様子が変わった
何かやばい
本能が訴えてる
逃げろと
身体が動かない
さっきまで動けたのに
ちびは裏の厨房から俺も使っていた回るチョコレート工房を持って来てチョコレートを仕込み取っ手をぐるぐる回し始めると物凄い早さでチョコレートを量産した
ちびを見ると両手にチョコレートのお菓子を持っていた
まさか 辞めてくれ
これ以上は俺の腹が持たない
声を出そうにも声が出ない
チョコレートが俺の口に一個二個と入っていく
俺が悪かった
もう辞めてくれー!
はっ!
気付くと寝床で寝かされていた
身体の痛みは無い
腹も減っている
どうやら俺は悪夢を見ていたようだ
寝床の部屋を出ると広い居間があり俺の家族がいた
「会いたかった」
家族は俺に微笑んでくれていた
涙が溢れた
俺が捕まる前より肌が艶々している
強制労働させられている筈なのに
過酷な労働だから沢山の食べ物を与えられているのかも知れない
「これからは俺が代わりに働くからな」
家族の俺への微笑みが消えた
そして家族は仕事があると言って出て行ってしまった
何か変な事を言っただろうか?
久し振りに会ったというのに話をする事無く居なくなり家族が座っていた椅子に座ると美味しそうなお菓子があった
ぱり
ぱりぱりぱりぱり
無くなった
美味過ぎて手を止められなかった
残っていたチョコレートも口に入れて俺も食べ物の為に強制労働する事にした
外に出ると見た事があるような者に声を掛けられた
「新入り!これから仕事か?」
「はい 仕事は何をすればよいでしょうか?」
「何言ってる 枝切りに決まってるだろ」
「そうですよね 枝切りですよね」
「あぁ それと新入りはあれを食べたか?」
「あれと言うと?」
「あれと言ったらチョコレートだろ!」
「はい 食べました」
「なら俺達は兄弟だな」
よく分からないが俺達は肩を組んで兄弟になった




