辺境
俺は冒険者達と家族がいる街に向かった
多少は戦闘の心得もある
街までは魔物も居るだろう
少しでも危険を回避して行ければ良い
冒険者達を見ると余り警戒している様子は無い
冒険者としての経験が無いのかと思わせる程だらけている
俺は当てにならない冒険者達を放って周囲を警戒していた
「おい そんなに警戒しても疲れるだけだぜ」
「警戒を怠る事は出来ない」
「辺境の街の周囲には魔物が多く居ると聞いた」
「確かに魔物は多いな」
「お前も魔物の住処で働く事になるんじゃねぇか?」
魔物の住処
聞いた事がある
敵国の10万の軍を退けた魔物達が居る場所だ
きっと其処で強制労働させられているのだろう
「何をさせられているんだ?」
「何って 枝を切る仕事だ」
枝を切る?
魔物の住処の開拓をするつもりか
危険極まりないな
俺の家族はそんな事をさせられているとは
其れにしても気になる
冒険者達が代わる代わるソリを引いて代わる代わるソリに乗っている
最初は荷台だと思っていたがこれは噂のソリである事が冒険者達の話で分かった
冬に引くソリが何処かの街で人気だと知ったが辺境の街だった
何故雪も無い春にソリを楽しそうに引いているのかは不明だ
身体がでかい冒険者がソリで遊んでいる姿は狂気に満ちている
「お前 もしかしてソリに乗りたいのか?」
「やけに楽しそうだったから見ていただけだ」
「こいつはな俺の生活費一年分だ」
「お前も魔物の住処で働けば買えるかもな」
生活費の一年分だって!
冒険者は稼ぎも多く生活費も高い
其のソリは俺の一生分の稼ぎかも知れないと思いぞっとした
この冒険者は強制労働させて得た金でソリを買ったに違い無い
俺はこいつらの為に働かなくてはならないのか
そう思うと気持ちも落ちて行く
これが俺が犯した罪の代償なんだ
「お前はソリに乗れねぇから気落ちしてるんだろ?」
「俺達もソリに乗りたくて堪らなかったからな」
冒険者だけあって俺の気配を察知してくるが断じてソリに乗りたい分けでは無い
其れにしても魔物が居ない
冒険者に恐れをなしたのか
安全に辺境の街まで行ければ良い
辺境の街に着いた
冒険者達と別れ家族の情報を得る為この街の領主を訪ねる事にした
この街の領主は忙しく話を取り合ってくれず労働者なら冒険者組合で聞いて欲しいと言われた
直ぐに場所は分かったが王都にある冒険者組合より遥かに大きい
危険地帯なので冒険者も大勢いるのかも知れない
扉を開けようとしたが変な生き物が瞳をきらきらさせてソリを引きながら扉を開き入って行った
この街は魔物と繫がっているのか!
やはり魔物の街だったのだ




