探索
ダンジョンが出来て少しずつ明らかになってきた
このダンジョンは未だに二階層に到達した者は居ない
一階層が途轍もなく広いのだ
毎日冒険者達がしのぎを削っているが
ダンジョンから持ち帰った物の殆どは価値のない物で財宝が稀に出るくらいだ
あと出る物と言えば
「こんにちは」
「魔牛の肉を下さい」
「おちび 最近は魔物が減って肉も取れなくなってるんだ」
「そんな!」
肉が無い?
炭の網焼きをするのに肉が無い?
肉肉肉肉肉
「それでな 最近はダンジョン産の肉が出回っているらしくてな」
「ダンジョン産?」
「専属の冒険者を雇って肉を仕入れているんだ」
「肉?」
「ちびは冒険者組合に行ってるんだろ?」
「誰か良い冒険者は居ないか?」
「冒険者?」
「専属でなくてもいんだ」
「定期的に肉を卸してくれれば」
僕がやりますと言いたいけど見習いの僕には無理だ
一人ではダンジョンに入る事すら出来ないのだ
「一人 心当たりがあります」
「居るのか!お願い出来ないか?」
「このままでは店が潰れちまう」
僕は肉屋の為いや肉の為に一人の冒険者に話をする事にした
とは言っても何処に居るのか分からない
その冒険者の知り合いに話を持ち掛けてみた
とんとん
「こんにちは」
「どうした?」
「中に入れ お菓子食べるか?」
「はい 頂きます」
僕は知り合いの冒険者に肉を卸して貰えないか相談した
「ダンジョンが出来たのか」
「面白そうだな」
「そうなんです」
「だから お願い出来ませんか」
「それなら私が行こう」
「いんですか!」
「ですが仕事はどうするんですか?」
「仕事は知り合いの冒険者に任せれば良い」
「私も偶には息抜きが必要だからな」
「僕はどっちでも良いですけど」
「なら決まりだな」
「早速 連絡しないとな」
そう言うと外に出て口笛鳴らす
「ぴー」
すると何処からともなく魔鳥が飛んで来た
「ぴよぴよ」
どうやら魔鳥に手紙を渡して連絡するようだ
対価としてお菓子を握らせていた
そうか!冒険者組合長の弟さん共この連絡方法だった
いざという時に僕も出来るようにならなければいけない
「ふー」
僕は口笛を吹けない
どうしたらあんな音が鳴らせるのか
「口笛ってどうやって吹くんですか?」
「なんだ ちびは口笛が吹けないのか」
「口をつぼめてこうだ」
「ぴー」
「口をつぼめて」
「ふー」
全然分かんない
「ふーふー」
全然出来ない
駄目だジャンに教えて貰おう
こういう遊びは教え方もジャンは得意だ
ぴーぴー吹く度に魔鳥が飛んで来る
そして頭や肩に止まり群がっていた
「ぴー」
もしかしたらと口で言っても魔鳥は飛んで来なかった




