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孤児と魔物の暮らし方  作者: 無句読


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156/226

「ミドリ お茶が入ったぞ」


昨日から変な物をずっと抱いている

何処で拾って来たのだか


何時ものように熱いお茶を淹れたが直ぐに出て来てしまった


あの硝子みたいな物が原因か?


今日は春にしては暖かい


試しに弟がやっていた水出しという抽出法で冷たいお茶を淹れた


冷たくて美味しい


ミドリにも冷たいお茶を出すと気持ち良さそうに浸かっている


硝子のような物が茶碗に当たり涼しげな音を鳴らしていた


「ミドリ 仕事に行くぞ」


私はミドリを肩に乗せ冒険者組合に向かった




今日は何だか騒がしいな


組合職員に何かあったか聞いてみると何でもでかいお菓子を持った者が現れたらしい

正体不明のお菓子職人から頂いた物だという噂だ


そのお菓子というのは硝子みたいだと言う


まるでミドリが持っている物みたいだな


「おい 奴じゃねぇか?」


「あぁ 奴だな」


冒険者達が誰かを見つけたようだ


お菓子を持った者だか正体不明のお菓子職人だか私が見定めてやろうじゃないか


そう思い冒険者達を押しのけて見るが誰も居ない


其れでも冒険者達は話掛けている


「間違いねぇ 奴だ」


「でかい奴の欠片だ」


良く見ると机の上にいたミドリに話掛けていた


「貴様等 ミドリに何の用だ」


「組合長 俺達が見たお菓子を持ってるんだ」


「何!これがお菓子だと?」


冒険者が指差したのは硝子のような物だった


「商業組合長の兄貴がこれのでかいお菓子を舐めていたんだ」


「舐めていた?」


何だ?舐めるお菓子なのか?


それでミドリは熱いお茶だと溶けるから冷たいお茶に入ったのか?


硝子のお菓子を見ると少し溶けているような気がする


もしかするとランの新作お菓子かも知れない


こうしてはいられない


私はミドリを連れて商業組合に向かった




「組合長は居るか?」


「はい 料理教室に居ます」


間に合ってくれ


私は急いで料理教室の扉を開く

中では大勢の人達が料理をしていた


周りを見渡してもランの姿はない

てっきり新作発表会をしているかと思ったがそうでは無いらしい


兄妹を見つけゆっくりと近寄る


「何だ 今日は兄がお菓子を作っているのか?」


「姉さん 妹に教えて貰って試しに作ってるんだ」


妹の方は真剣に兄が作るお菓子を見詰めている


何とも微笑ましい光景だな


調理台に目を向けると私の微笑みも一瞬で消え去り信じられないという感情に襲われた


調理台の皿の上に何処かで見たような棒が刺さったでかい硝子があった


お日様のようなまん丸な硝子

それは少し欠けていた


ミドリを呼んで持っている硝子のお菓子を見比べる


「サーチ」


魔法を発動して確信する

溶けてはいるが同じ物だ


でかい硝子のお菓子は私を威圧するかのような存在感だった

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