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孤児と魔物の暮らし方  作者: 無句読


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実演

僕は持参した鍋に魔法で水を入れて貰らい、演習場にある炉で熱湯にして山菜を重曹という粉を入れて茹でていく。


あく抜きをしたら下準備は終わりだ。


小麦粉に水を入れ衣を作り山菜に纏わせ、油を熱して山菜を揚げていく。


じゅーっと揚げる音が食欲をそそる。


揚がったら油を切り塩を振りかけたら簡単な揚げ物料理の出来上がりだ。


料理人の特権で揚げたての山菜を味見をする。


さくっ「うまい!」


山菜は苦味があるものが多く一癖ある味だがそれが良いのだ。


揚げたふきのとうに塩を掛けて食べる

苦味と菜の香りで春の訪れを感じる事が出来た。


「おい!ちび!先生にも食べさせてくれ」


僕は先生が持っている紙の皿に揚げたふきのとうを置く。


さくっ「うまい!」


僕と先生は味見を済ませると次々山菜を揚げていった。


生徒達は持参して来たお弁当を片手に何だ何だと集まってくる。


あく抜きした山菜を揚げていき紙の皿に盛り付ける。


さぁ、宴の始まりだ!


「うまい!」という声。


「かー!」という声。


生徒達が静まり返っているせいか演習場に響く声。


先生は懐にお酒を隠し持っていて山の麓に住む魔鳥のように「かーかー」言っている。


そして食べ終えると生徒達から溜息が漏れる。


春とはいえまだ寒く、温かい食べ物が欲しいのだろう。


僕はあく抜きした山菜を揚げていると、肉屋の息子を見つけ試食してもらう為に持っていたお弁当箱に山菜を盛り付ける。


「かー」


流石に肉屋の息子だけあり、肉まみれの肉々お弁当だったが山菜を盛る事で彩りが良く健康にも良いお弁当になった。


「かー」


肉屋の息子はたれの付いた肉と一緒に山菜を口に入れる。


「かー」

「うまい!」


先生と肉屋の息子が調和して…


「かーうまい!」

「かーうまい!」


と声を奏でていた。


その声に誘われてか剣術学校の先生と思われる者が声を張る。


「お前等!何をしている!」


その場の空気が凍り付くと肉屋の息子も食べるのを辞め、生徒達と同じく俯いてしまった。


僕も悪い事をして怒られたような感じになり俯いてしまう。


「かー」


そして、場の空気を読まない者の声だけが聞こえる。


先生と思われる者が、宴が行われている場に来ると睨みを利かせる。


「お前は誰だ?」


「デコです」


「ちび。こんな所で何をしている」


「山菜を料理をしていました」


「山菜を料理だと?」


ひたすら山菜を食べ酒を呑んで、かーと頷いている先生を見て一つくれないかと声を掛けられた。


僕は山菜の三種を揚げて塩を振り紙の皿に盛り付ける。


「山菜の三種盛りです」


先生と思われる者はふきのとうを手に取り口に入れる。


「かーうまい!」


まさに阿吽の呼吸であった。

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