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孤児と魔物の暮らし方  作者: 無句読


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まだ肌寒いせいか薪が焚かれていて、玉露の匂いがする。


私は腰の荷物入れを確認すると玉露が無いので私から奪った物だろう。


机の上には湯呑み茶碗があり覗き込むと玉露と小さな苗が入っていた。


随分凝った飲み方をする魔物だなと、あらゆるお茶を嗜んできたがこんな飲み方は始めてだ。


飲んでみたいと湯呑み茶碗を触ると熱くは無いが湯気が出ている。


直ぐに魔物が戻って来る筈だが、一口だけなら気付かれないだろうと私は湯呑み茶碗を持ち口に当てると、がちゃ!と外の扉が開く。


「貴様ー!」


私を助けに来てくれた姉さんが魔力を全開にして魔法を放つ。


「姉さ…」何故、私に向けて魔法を…




目が覚めると寝床に寝かされていて、まだ少し痛むが体は動く。


「ステルス」


ここは何処かの建物の中だろうと私は小さな声で魔法を唱えて、勢を低くして扉に耳を当てると話声が聞こえてくる。


魔物の住処には言葉を理解し話せる魔物が居るとの噂を聞いていた。


「肉食べる?」


私を食べようと算段を立てている

逃げなければ…


がちゃ!外の扉が開く音がした。


話声も誰かが居る気配も無いので、そっと部屋の扉を開く。


誰も居ないと思ったが、きらきらした瞳の変な生き物が気配を消して机の席に座っている。


気付かれていない…今なら外の扉を開いて…


がちゃ!「食事持って来たよ」


食べられたんじゃなかったのか?荷台に乗っていた子供だ。


そうか!餌をおびき寄せる為の罠で魔物の仲間だったんだ。


変な生き物と子供が小屋を出て行ったのを確認して、私は扉を開け魔物の住処のフルプレートアーマー案山子に辿り着いた。


玉露を奪われてしまったので姉さんの所に行っても意味は無い。


「帰ろう」




「あれ?冒険者組合長の弟さんが居ない。雪舟、弟さんは?」


雪舟は知らないと言うかのようにソリを引く準備をしている。


何処に行ったんだろう?




僕は冒険者組合長室に行って二人に弟さんが居なくなった事を話した。


「放っておけ。弟はミドリを飲もうとしたんだ」


「え?ミドリを飲むの?」


「ミドリが玉露というお茶に浸かっていたのを弟が飲もうとしたの」


「酷いね」


「弟はお茶にうるさいからな。だから最高級の玉露が作れるんだ」


ずずずずず「玉露って美味しいね」


ずずずずず「あぁ、だからミドリに飲ませたくてな」


ずずずずず「美味しい!お菓子に合います」


ぱりっ!「そうだな。玉露が無くなったらピヨに依頼してまた持って来て貰おう」


ぱりっ!「そうだね。それなら沢山飲んでも大丈夫だね」


ぱりっ!「お茶畑をこの街にも作って欲しいです」




やっと帰って来たが、あれからというもの変な夢を見る。


そして、ぴよぴよという鳴き声で夢から覚めるようになった。

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