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孤児と魔物の暮らし方  作者: 無句読


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丸太

 ばたん!遂に魔力枯渇で魔法士は倒れてしまった。


「おい!どうなってんだ?」


「魔法が効かなかったぞ?」


 一回戦が終わると丸太を肩に載せ観客席に戻る。


「どうだ?俺の闘いは」


「本当に丸太で勝っちまった」


「大金を賭けて勝っちまった」


 だっはっはーと三人が笑う。


「これは山分けだな」


「お前に賭けて良かったぜ」


「勝負はこれからだぜ?これから全部俺に賭けろ」


 順調に勝ち上がると恐いくらい儲けていく。


「さぁ!決勝だぜ」


「最後も決めてくれよ」


「さくっと優勝してくれよ」


 俺は観客席から飛び降り対戦相手と対峙し、相手の装備を見るとどうやら魔法士のようだ。


「俺には魔法は通用しねぇぞ?」


「そうでしょうか?」


 何だこいつ?嫌な予感がする。


 決勝戦、始め!と戦いが開始されると奴が直に詠唱を始める。


 それならば先手必勝!と猛然と突進して終わりだ。


「グラビティ」


「うぉー」


 とんでもねぇ重力魔法で体が動かねぇ。


「その丸太、重力魔法も効いていないですね」


「やばいぞ」


「でも貴方は動けないようですが、私もグラビティを発動すると他に魔法は使えません」


「なら勝負は引き分け」


「ではありません」


 おかしい?もう重力魔法の範囲に入っている筈なのに奴が近付いてくる。


 勝負あり!と俺は喉元に短剣を当てられ降参すると、観客席から悲鳴が聞こえたがこれが勝負の世界だ。


 儲けた金を全て失ったが元の金は少額なので全然大した事は無いのだがな。


「この丸太は素晴らしいですね。何処で手に入れたのですか?」


「魔物の住処だ」


 奴の表情が強張る。


「そうですか。もしかしてこの丸太はトレントを討伐した時の戦利品なのですか?」


「討伐?これはトレントの枝だ」


「枝?丸太のような太さでですか?」


「そうだ、魔物の住処では無数のトレントが襲ってくる」


「もし私が闘ったらどうなると思いますか?」


「この丸太は魔法が効かねぇ。刃物で勝負するしか無い」


「やはり魔法は効かないのですね」


「魔法士が闘うのであれば無惨な姿を晒す事になるだろうな」


 私の力で越える事は不可能らしいが、これを渡さなければならない。


 一族の宝とも言えるこの玉露を…


 姉さんから魔鳥で連絡をして来たかと思えば玉露が欲しいと手紙を寄越すだけで今迄、一切の連絡もしないでどれだけ心配したと思っているんだ。


 魔物の住処に着いたら魔鳥を飛ばせと書いてあった。


 決勝戦が終わって安全だと分かると魔鳥は私の頭に停まる。


 優秀な魔鳥だが癖が強く、特にお菓子にぴよぴよと五月蝿い。


 お陰で旅費が底を尽きて、こんな大会に出る羽目になったのだ。


 姉さんに会ったら皆が心配してると言ってやる。


 そして魔鳥を何とかしてくれ!高級なお菓子のせいで破産してまうぞー!

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