武闘大会
世界中の強者を集め武闘を競い合う強者一武闘大会が帝都で行われようとしている。
人族は勿論、エルフ族ドワーフ族も参加していたが魔族と竜族は姿を現さなかった。
沢山の強者が集まった事で種族間や同族間でひりついた雰囲気になっていて、闘技場に沢山の観客が詰めかけると今か今かと闘いを待ち侘びている。
「遂に始まるな」
「楽しみだぜ」
ここにいる全員が分かってねぇ…武闘が強くても武器がないと駄目なんだ。
あのトレントの枝を切れなければ意味がねぇってのに…
「強者一とか」
「笑わせるぜ」
俺は木の枝でぽんぽんと手を叩くと冒険者らしき観客の二人が話し掛けてきた。
「あんた、強そうに見えるが大会には出ないのか?」
「こいつは武器を持ってないし強そうなのは見掛けだけだろ」
「…」
分かってねぇな。
「俺の武器はこれだ」
「丸太って何の冗談だ?」
「お前、頭は大丈夫か?」
「うるせぇな!静かに観てろ」
「からかっただけじゃねぇか」
「面白くねぇ奴だな」
何時もの俺なら冗談言って笑ってるだろうが、トレントが攻めて来るかも分からない今はそんな気分になれなかった。
只今より一回戦を始めます。
「おぉ、すげぇ」
「魔法戦だぜ」
「くだらねぇ」
「…」
「…」
「辞めちまえ」
俺の言葉が癇に障ったようで反論してくる。
「くだらねぇだと?こんな魔法戦は滅多に見れねぇぞ」
「辞めちまえだと?お前が相手したら直ぐに灰になるぞ」
「はぁー」ため息が漏れる。
「お前等は何の為にこの武闘大会が開かれているか知っているのか?」
「楽しむ為だろうが」
「賭ける為だろうが」
「この大会で強者を集めて魔物の住処に出兵する為で、其処に居るトレントを討伐する為だ」
「なら尚更、魔法が有効じゃねぇか」
「燃やして炭にすればいいじゃねぇか」
「トレントには魔法が効かない。そしてこの丸太がそのトレントの枝だ」
一回戦、最終試合を行います。
「お!最後は魔法士対戦士みたいだぞ」
「今迄の魔法戦を観てると戦士が不利だろうな」
「特別に教えてやる。俺に賭けろ」
俺は観客席から飛び降り魔法士と対峙する。
「あいつに賭けてきたぞ」
「負けたらあいつに請求すれば良いしな」
「魔法士が詠唱を始めてるってのにあいつは何もしてねぇじゃないか!」
「もうあいつの負けだな」
魔法士は無数のアイスジャベリンを放つが俺は木の枝で全部捌く。
普通の武器なら折れたり凍り付いたりするが簡単にアイスジャベリンを砕くと魔法士に来い来いと挑発する。
「魔力が尽きるまで相手してやるぜ!」




