武器
魔導高炉を使う為には申請が必要だから、その間に木の枝を徹底的に調べ上げ最高の物を作る。
まずは鑑定からだ。
この国にある鑑定台は前の王が作った物で、幻の鑑定台の模造品だが精度はそこら辺の鑑定台より遥かに高い。
「木の枝を鑑定台に置くぞ」
鑑定結果
トレントの枝木材
大自然の中で伸び伸びと育ったトレントから取れた幻の枝
あらゆる耐性を備えているが斬撃に弱い
入手難易度S
「どういう事だ?斬撃に弱いだと?」
これには俺も驚いた。
ミスリルの大斧を粉々にする木の枝が斬撃に弱いとかあり得ねぇだろ。
それにあらゆる耐性って何だ?炉に突っ込んで火や熱に強いのは分かったが他にも耐性があるのか?
「おい、こいつを鍛冶場の炉に入れた事があるのか?」
「あぁ、職人の話だと魔導高炉じゃ無いと無理だと言っていた」
「耐性があるなら魔導高炉でも無理かも知れねぇぞ?」
魔導高炉で無理ならどうやってあの剣を作ったんだ?あの剣の素材はトレントの素材じゃなかったのか?
あの剣は一体。
「お前はこの素材の斬れ味に惚れ込んでいると言ったな」
「あぁ、とんでもない斬れ味だったから木の枝で作ったんじゃないかと思っちまった。俺の思い違いだったようだ」
「この木の枝で武器を作る方法はある」
「本当か!」
「錬金術だ。この木の枝が金属ならば一瞬で武器を作る事が可能だろう」
「錬金術士にお願い出来ないか」
「錬金術士などおらんわ!そんな奴がいれば世界の王どころか神に近い存在になる」
確かに、そんな事が出来れば…!
あの剣を作った奴が錬金術士だったら。
ぞぞぞぞぞ!
一瞬背筋が凍った。
あそこに、あの魔物の住処に錬金術士がいる。
錬金術士が名持ちの魔物の場合、世界が滅ぶ。
「お前、この木の枝を何処で手に入れた?」
「…」
「ここから生きて出たいのなら素直に言うんだな」
「住処だ」
「何だって?」
「魔物の住処だ」
「あの噂の魔物の住処か?10万の帝国軍が敗れたという」
「そうだ、俺はその後に噂が本当かどうか確かめに行った」
「その時に持ち帰ったのがこの木の枝だ」
「で実際はどうだったんだ?」
「事実だった。俺も闘い敗れてその時に魔物から渡された剣が恐らくこの木の枝で作られた剣だ」
「魔物から剣を渡されたのか!」
「不気味な声だった。ほっほっほーと笑っていて姿は分からなかったが恐らく魔物の声だろう」
「その剣は何処にある?」
「死者と呼ばれる者が持ち帰った」
「そいつも魔物か?」
「分からない。人の言葉を話したが人外の強さだった」
「剣の特徴は刻印とか無かったか」
「ただの普通の剣だ。大王と彫られていた」
「なんてこった」
そんなふざけた刻印をする者…前王じゃねぇか!




