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孤児と魔物の暮らし方  作者: 無句読


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119/223

無能

 加護も解放していない人が雪玉を投げて軌道を変えられるか体験させようとするが誰も名乗りでない。


 其処で彼はラン先生の新作を一番に食べられる優先券を付けると言った。


「何言ってやがる」


「てめぇなんかにそんな事出来る筈ねぇだろ」


「ラン先生はてめぇなんか相手にしねぇ」


「お前は追放だ」


 彼は会場の人々に火に油を注いでしまったが、ある者にも火に爆弾を投下してしまった。


 ある者が名乗りを上げる。


「私がやるよ?」


 そしてある者達からも不満の声が上がる。


「スキルや魔法が使えるからって参加出来ないのは不公平じゃねえか!」


「そうだ!俺も出させろ」


「俺もだ」


 会場がまたざわめき出したのは本当に新作の優先券が貰えるのではと考えたからだろう。


「分かりました。ではスキルと魔法を使える方は使えない方の投げる雪玉を躱して下さい」


「雪玉に当たらなければ優先券を差し上げます」


「うぉー」


 ある者達は喜び叫ぶ。


「そして雪玉を当てた分だけ優先券を差し上げます」


「…」


 ある者は瞳の瞳孔が開いていた。


「それでは始めます。では言った通りに投げて下さい」


 ある者達に釣られて参加した王都の冒険者と思わしき者達もいた。


「あんなちびの女が投げた雪玉に当たる訳ねぇだろ」


「楽勝だぜ」


 ごー!しゅん。ばこん!


「まずは一人…」


 二人三人と標的を倒していくと王都の冒険者と思わしき者は全滅した。


 ごー!しゅん。

 ごー!しゅん。


「危ねぇ!舐めた奴等がいて助かったぜ。お陰で球筋を見極める事が出来た、これで優先券は俺の」


 ごー!しゅぅぅん。ばこん!


「かはっ!」


「何だ!球筋が」


 ごー!しゅぅぅん。ばこん!

 ごー!しゅぅぅん。ばこん!

 ごー!しゅぅぅん。ばこん!


「何が起こった!球筋が不規則に動いて」


 ごー!しゅぅぅん。ばこん!


「あのちび魔法を使いやがった!なら俺も魔法を使わせて貰うぜ」


 ごー!しゅぅぅん。

 ごー!しゅぅぅん。


「魔法があれば当たらねぇぜ!」


 全滅だと思われた王都の冒険者は禁忌を犯したその罪は重い。


「雪玉を寄こせ」


「お姉様?」


 雪玉に込められた魔力のせいか白い玉がどす黒くなっていた。


「消えろ!」


 ばたん!


「フォーシームだ」


 会場はどよめく。


「これで分かったか?不正は無い」


 スキルや魔法が無い者が使った魔球

 文字通り魔法のような玉だった。




「こうして彼の潔白は証明されたのよ」


 俺はそんな技術があるのかと思い知らされ、あいつにはスライダーの他に幾つもの球筋があって躱すのは不可能。


 俺の完敗だな。


 今度はスキルと魔法ありのS級の部で試合をしてみたいな。


 其処では俺が勝つ。


 そして大人の部の決勝が終わりS級の部の決勝が始まろうとしていた。

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