一騎打ち
一対一の闘いが行われようとしていたからか雪当て大会は大いに盛り上がっている。
相手は俺の要求を受け入れてくれたので
全力で叩き潰してやる。
俺の誇りに賭けて。
実はこの雪当て大会の正式規則で一騎打ちが認められていて、雪玉を投げ合い先に当てた方の勝利だ。
勿論拒む事も出来が四対一の絶望的な状況でも受け入れなければ逃げたなどと笑い者にされる。
審判の合図と共に一騎打ちが始まった。
やはり奴は遠距離から投げてくるが俺は其れを躱し接近して雪玉を投げ込む。
これしか俺の勝ち目は無いが、俺には雪玉を躱す絶対の自信がある。
ごー!
速い!だがこれくらいなら紙一重で躱し接近して雪玉を投げ込む事が出来る。
ごー!
ばん!
ばたん!
これが優勝商品のソリか。
一番の遊び方は雪山から滑る事だと聞いて俺は早速、雪山に登りソリに跨ると滑り出した。
しゅー。
お!面白い!もう一度だ。
しゅー。
しゅばー。
飛んだぞ!
どん!
痛い。
はっ!
俺は…いたっ!
起き上がろうとしたら股間が痛い。
何故?
「起きましたか大丈夫ですか?」
「俺は…」
「貴方は雪当て大会で一騎打ちして倒れたんですよ」
「覚えている、俺は紙一重で躱して雪玉を投げようとしたんだ」
そう言うと治療の先生らしき人が状況を説明してくれた。
「貴方は雪玉を股間に受けてしまったのよ」
「そんな、あり得ない!確かに躱した」
そうだ、俺は絶対に躱したんだ。
俺は嘘を付いたら奴隷になると決めていて、それ程に俺は嘘を許せないんだ。
「雪玉の軌道が変わって紙一重で躱した筈の貴方の股間に当たったの」
「何!奴は魔法を使ったのか!許せねぇ」
「いえ、魔法は使っていないわ」
「じゃあスキルか!」
「いえ、違うわ」
「じゃあ何なんだ!」
「使ったのはスライダーよ」
「スライダーって何だ?」
観衆の誰もが反則をしたと思って彼を罵倒した。
「あいつ魔法を使いやがった」
「神聖な一騎打ちを穢しやがった」
「この国から追放しろ」
「スキルを使った奴は奴隷に落とせ」
過激な人達を黙らせる為に立ち上がった人がいた。
「何だ動けねぇ」
「どうしたんだ」
「がっはっはー、スキルとはこうやって使うんだ」
「俺の教え子に暴言を吐きやがって。こん餓きゃー」
そして過激な人達は泡を吹いて倒れていったがそれでも騒ぎは収まらない。
「口封じしやがって」
「きたねぇぞ」
彼は提案した。
「この中でスキルも魔法も使えない加護を解放していない方は居ませんか?」
この提案に会場はざわついた。
ここで名乗り出た者は自ら無能だと宣言したも同じだから。




