戦略
相手の組は雪玉を作るのに夢中で冒険者達が速攻を仕掛けているのに気付いていない。
しかも守らなければならない雪像には一人しか居ない。
規則では相手に攻撃出来る条件は雪玉だけで雪像に対してはその条件は無い。
雪玉で牽制しつつ雪像を壊す作戦だろうが四対一では勝敗は見えている。
呆気なかったな。
「つまんねぇな」
「どうせならあいつを倒そうぜ」
「あれじゃ俺達の動きに付いて行けないだろ」
「いや、ここは勝ちに徹しよう。作戦通り雪像を壊すぞ」
一人が疾風と叫ぶと高速で移動し雪像に拳で殴りつける。
「頂いたぜ!俺の剛拳をくらえ!」
きーん!
「何ー!」
きーん!きーん!
「何やっている!早く壊せ」
「壊れねぇ」
「どけ!ストーンフォール!」
雪像にでかい石の塊が落ちる。
きーん!
「冗談だろ?なんなんだ?」
大きい雪玉を二つ縦に並べた雪像はスキルや魔法を使えば容易に破壊出来る。
破壊出来ずとも頭と胴体を切り離す事が出来る筈なのに…
雪像の頭にでかい石をぶつけたらどうなるか。
粉々に崩れると子供でも分かる。
「ストーンフォール!」
「ストーンフォール!」
「ストーンフォール!」
きーん!
きーん!
きーん!
あの雪像の頭は石より硬いのか?
「石頭め、ストーン…」
ぱふ。
「王都冒険者の一番は退場して下さい」
「何だと!」
直ぐ側に変な生き物が居るのに気付かなかった。
「態勢を立て直すぞ」
まさかあそこから優位になるとは、それにしてもあの雪像はやばいな。
魔法か何かで強化しているようだがストーンフォールが効かないとは。
しかし冒険者達は作戦変更して雪玉をぶつけて全滅させるようだ。
面白くなってきたな。
「あのちび共、ぽんぽんぽんぽん雪玉を投げやがって」
雪玉のせいで迂闊に動けなくなっていて一人が冒険者の陣地に近付いていた。
「おい、あいつを攻撃するぞ」
雪玉に風魔法を付与して投げる。
ごー!
高速で投げられた雪玉が当たった。
ばん!
「審判!雪玉が当たったぞ」
ばん!ばん!ばん!ばん!
「審判!どうなってやがる」
雪玉がもうねぇ!
ぱふ。
「王都冒険者の二番は退場して下さい」
「なんでだよ!」
ぱふ、ぱふ。
王都冒険者の三番四番は退場して下さい。
とんでもない事になった。
子供が居る組が王都の冒険者の組に勝ってしまった。
あのフルプレートアーマーはなんだったのか俺が見ても当たったようにしか見えなかった。
同じく観戦していた冒険者達から信じられない話を聞いた。
だからこの街で大会が開かれ、あのソリという乗り物が欲しくて冒険者達も本気だという事を。




