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孤児と魔物の暮らし方  作者: 無句読


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家庭訪問

「デコ楽しそうだな」


「デコ楽しそうだね」


 今日は家庭訪問の日。


 学校の先生が家に来て生徒の家族とお話をするのが家庭訪問だと聞いた。


 学校では教えてくれる人の事を先生と呼んで、教えてもらう人の事を生徒と呼ぶらしい。


 僕には関係ないけど、どんな先生が来るのか楽しみだ。


「ジャンとランの先生が来るんだからお菓子を焼かないとね」


「そうだな」


「そうだね」


 皆で朝からお菓子を焼いていて、やっと先生がやって来ると皆には居間で待っているようにお願いして、僕は先生を出迎えに行った。


「いらっしゃいませ、学校の先生でしょうか?」


「はい?はい」


「僕はデコと申します。院長先生とジャンとランが居間で待っていますのでご案内いたします」


 学校の先生を居間に案内すると厨房に行って紅茶とお菓子の準備をする。


 この日の為に教会で礼儀作法と、院長先生からランと一緒に紅茶という飲み物の作り方を学んだ。


 皆と先生の話し声が聞こえると、頃合いを見て紅茶とお菓子を持って行く。


「こちらはラングドシャという焼き菓子と紅茶という飲み物です。よろしければ召し上がって下さい」


 僕は少し離れた所の椅子に座って話を聞いていて、先生は学校ではこんな感じあんな感じと院長先生に話をすると、ジャンとランは恥ずかしそうにしていた。


 そして先生がお菓子を食べると「美味しい」とびっくりした顔をしていた。


「とても美味しいですね。私は公爵家のお茶会に行った事もありますが、こんな美味しい焼き菓子は初めてです。そして紅茶ととても合いますね。さくっとした食感ふわっとした口溶け砂糖の甘さバターの香りが絶妙で何枚でも食べられます」


 語りながら全部食べてしまったからか学校の先生は顔を赤くしていた。


「この焼き菓子は先生の為に子供達が作りました」と院長先生は嬉しそうに言った。


「え?子供達が作ったんですか?」


 またびっくりした顔をしていたが、僕は無くなったラングドシャを持っていく。


「沢山焼いたので沢山食べて下さい。ラングドシャに常識は通用しないですから」と言いながらお皿に山のように盛り付けた。




 私は家庭訪問が終わり、ふーっと息をついた。


 食べても食べても山のように出てくるお菓子。


 食べきれないからと言ってお菓子を持たせてくれたが、私ももう食べられない。 


 そして学校に戻り理事長室に立ち寄った。


「お?どうした?」


「家庭訪問でお菓子を頂いたので」


 そう言いながらお皿にお菓子を盛り付けた。


「がっはっはーお前が賄賂を貰ってくるなんてな。何処の餓鬼の親だ?」


 お父様はお菓子を掴み口に放り込む。


「うめぇ、こいつはとんでもなく高級なお菓子だな。お茶を淹れてくれ」


 お父様は美味しそうにお菓子を食べている。


「がっはっはーあれ?お菓子がねぇぞ」


 そんな顔されても自分で全部食べたのに。


 涙を流すお父様を見て「ラングドシャに常識は通用しないですから」と言いながら空のお皿を片付けた。

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