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孤児と魔物の暮らし方  作者: 無句読


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 掟に従いまずは私が作ったお菓子を食べる。


「お、美味しい」


 焼き菓子がさくっとしていてチョコレートが甘くてほんのり苦く、とても私が作った物とは思えなかった。


 先生方も私の作ったお菓子を食べる。


「うめぇ!」


 先生方に称賛して頂いた。


「やるじゃねぇか!」


「新入りのくせにうまい物作りやがって」


 などと言ってる内に全部無くなってしまい、次は先生方のお菓子だ。


 どれくらい美味しいお菓子か年甲斐もなくわくわくしている。


「新入り、ちょっと用事を思い出したから先に食べててくれや」


「あっ俺も」


「俺も」


 先生方は居なくなってしまったが、お言葉に甘えてお菓子を一口で食べる。


「うおぇ!」


 何だこれは?これは似て非なる物だ。


 見た目は私の作った物と変わらないが

 味が塩辛い。


 きっと私を良く思わなかったのだろう。


 だからわざと塩辛いお菓子を作って私に食べさせたのだ。


 この大量のお菓子はどうしたらいいだろう、勿体ないと手を伸ばすが拒否反応で掴んだお菓子を落としてしまう。


 そんな時だった。


 小さな子供が教室に入って来て、先生方が作ったお菓子を見て言った。


「これ、貴方が作ったお菓子ですか?」


「いえ、私が気に入らなかったのでしょう、私のお菓子を食べて先生方が作った塩辛いお菓子を残して居なくなりました」


「先生方?」


「はい、このお菓子は先生方に教わりました」


 小さな子供はお菓子を手に取りこれでお菓子を作りましょうと言ってきた。


「これでお菓子ですか?」


「そうよ」


 無理だ、絶対不可能だ、私は心からそう思った。


 すると小さな子供は挟んであるチョコレートを取り除き、鉢に焼き菓子を入れ木の棒で砕き始めた。


 あー見る影もなく焼き菓子が粉になってしまった。


 それから新たに焼き菓子の生地を作って粉にした焼き菓子に練り混ぜている。


 チョコレートの方は溶かして薄く切って揚げた芋に掛けていた。


 あー食べずとも分かる、吐き出すほど不味いだろう。


 きっと先生方の方がましだ。


 芋とチョコレートで美味かったら私は貴方の騎士になろう。


 そんな事を思っていると焼き菓子の方も焼き上がったみたいだ。


「出来たわ!塩バタークッキーとショコラポテトチップスよ」


 皿に盛られたお菓子から只物ではない覇気を感じる。


 恐らくS級だろう。


 私は作った工程を全て見ていた為、塩バタークッキーは美味しいだろうと想像がつく。


 私が今迄に一番食べた物、それは芋だ。


 私の体は芋で出来ていると言っても過言ではなく、芋を知り尽くしている。


 焼き、揚げ、蒸し、煮るあらゆる調理法を試し、ここだけの話、蒸した芋に砂糖を付けて食べた事すらある。


 その私が思う事はただ一つ、激不味だという事だ。

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