披露会
今日の完成披露会には領主に貴族に国の重鎮が集まっていて、新たに就任した近衛騎士団長まで来ている。
これは世界各国が不穏な動きを見せているからであり、武闘大会という名目で強者を集めていると情報が入ったからだ。
冒険者組合で強者を育成していかなければ対抗する事など不可能だ。
魔物の住処を突破出来るのは強者のみ、その強者と闘えるのは強者しか居ないのだから。
訓練場の闘技場の様な場所でそれぞれの挨拶が終わり余興が始まる。
会場はざわついていて、平和な国の平和な街で平和な完成披露会の筈なのに明らかに様子の異なる者がいる。
その姿を見た一部の者達は震え上がり、観客も大勢いるというのにやるつもりなのか!と騒いでいる。
観客は闘技場の席で余興を楽しみにしている様だった。
騎士団対冒険者の戦いが行われるからどちらも負ける訳にはいかない戦いで、この対決の為に騎士団は精鋭を四人、冒険者も四人のA級冒険者を招集した。
今回の戦いはより実戦的な集団戦で行われるが、実は冒険者選抜を決めるのに一悶着あった。
「騎士団と戦う四人を決めるだと?」
「あぁ、新しく出来る闘技場で試合をやるらしい」
「不覚にも冒険者の殆どが療養中だからな」
「それで募集を募ったがちびが立候補しやがった」
「ちび?A級共S級共言われる近衛騎士団を相手に?」
「あぁ、1+1で自信満々に答える子供のように手を上げたんだ」
「やばいな、ちびを出したとなれば俺達が笑い者になる」
「元近衛騎士団長や帝国軍のように噂されたら俺達はおしまいだ」
絶対に止めなければ
絶対に止めなければ
「今回は集団戦で四人一組での戦闘で勝った組が騎士団と戦う事が出来る」
「あぁ、ちびは恐くねぇ、問題はちびの冒険仲間だ」
「あの大男か」
「あぁ、一人でA級集団、風陣の刃を倒した実力者だ」
「多分S級冒険者でなければ勝てない」
「後の二人の冒険者は誰なんだ?」
「ちびは数合わせで適当に冒険者を仲間にするんだろう」
「俺達は俺とお前を入れても二組が限界だろう」
そして騎士団と戦う予選が開始された。
場所は訓練場の闘技場で耐久試験も兼ねているらしく、思い切りやってくれとの事だった。
「ちび、大男はどうした?」
「今回は家族で参加しました」
俺は顔を引きつかせた。
ちびと冒険者達を助けてくれた雪舟と後二人は何処にも居ない。
「ちび、後二人足りない、俺達の不戦勝だ」
「居ます」
俺はちびの目線の先を見たが雪舟が引いているソリに何か載っている。
丸いチョコレートと水槽だけで、やはり足りねぇじゃねえか!
「審判、俺達の不戦勝だ」




