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孤児と魔物の暮らし方  作者: 無句読


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寝顔

 朝起きて鮭ノ介に挨拶しようとすると水槽の中に炭が入っていた。


「院長先生!水槽に炭が入ってる!」


 厨房に行くと鮭ノ介はさつま芋の煮付けを食べていた。


「院長先生!」


 どうやら炭が気に入って院長先生におねだりしたらしく、昨日の炭の網焼きの時も余っていた炭の上で横たわっていたのだ。


 朝食を食べて僕はソリに水槽を載せ工房に向かった。




「おはようございます」


「おう、今日は何だ?」


「挨拶に伺いました」


「挨拶だと?」


 お父さんは水槽を見て言った。


「また家族が増えたのか?」


「はい、鮭ノ介と言います」


 僕は水槽を机の上に置いて紹介した。


「おちび、何で水槽に炭が入ってんだ?」


「鮭ノ介は炭が好きなんです」


「そうか、ちょっと待ってろ」


 そう言うとお父さんは炭を持って現れた。


「最近炭焼きにはまっていてな、こいつは炭焼きに適して無いから鮭ノ介にやる」


 鮭ノ介も炭に気付いたようで机に置かれた炭目掛けて飛んで来た。


 ぴゅ!


 炭の上に乗るや横になりぴちぴち跳ねている。


「お父さん、ありがとう。鮭ノ介も大喜びだよ」


「ああ、まさか飛んで来るとはな」


「何時もは泳いで行くのにね」


 お父さんは水槽から飛び出した鮭ノ介を戻そうとするが自分で戻るからと言って制止した。




「そろそろ焼けたかな?」


 厨房はお菓子の甘い匂いがしていた。


 俺も上達したもんだ。


 妹はまだまだだよ?と言うが今の出来に十分満足している。


 これに作って置いた板状のチョコレートを挟むと、これが妹が言ってたチョコレートラングドシャだ。


「うまい!」


 美味過ぎて声が出てしまった。


 作ったお菓子を皿に並べて後片付けをしていると気配を感じ、妹が摘み食いをしているなと思い声を出す。


「こら!」


 周りを見渡すが誰も居ない?確かに気配を感じたんだがな。


 いや微かに食べている音が聞こえる。


 よく、よーく見るとお菓子を食べている奴がいる。


「お前は誰だ」


 ぴちゃぴちゃ。


 返事がない。


 チョコレートラングドシャを一つ食べ終えると魚は泳いで何処かに行ってしまった。


 魚が泳いぐのは当たり前だな。


 目を瞑る、疲れてるな、俺。




 お兄ちゃんがお菓子を焼いたと言うので食べに行く。


「お兄ちゃん、家族になった鮭ノ介だよ」


「お前は!」


 お兄ちゃんが水槽に噛り付くように見ている。


「鮭ノ介、口の周りにチョコレートが付いてるぞ」


 お兄ちゃんの声が鮭ノ介に聞こえたのか口をぱくぱくしていた。




 鮭ノ介を紹介して家に戻って来ると、お父さんに貰った炭は水槽に入れず棚の上に置いた。


 それからというもの炭の上で横になり目を開けて寝ている姿をよく見かける。


 僕も炭の上で寝てみたい、それくらい気持ち良さそうな寝顔をしていた。

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