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孤児と魔物の暮らし方  作者: 無句読


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読み書き

 今日も教会に来て今は案内所にいる。


「ドナ、ドナさんはいますか?」


「ドナ様ですね。お呼びします」


「ぼく、お名前を聞いてもいいかな?」


「はいデコと言います」


「ちゃんちゃんちゃんちゃん!」と言う音が教会全体に響き渡った。


「迷子のお知らせをいたします。教会にお越しのドナ様。デコ君が迷子になっております。至急、案内所までお越し下さい」


「ちゃんちゃんちゃんちゃん!」と僕が迷子だと教会全体に響き渡った。


「どどどどどど!」と言う音が近付いて「デコ!」と声が聞こえる。


「やぁドナ」僕は恥ずかしそうな顔でドナに返事をした。


 案内所の人は僕が迷子だと思ったらしく音声を聞いたドナは慌てて走って来るが、残念な事にドナは一日中、仕事なので今日は僕一人だ。


 ジャンとランに学校で何してるのか聞くと読み書きだと言っていたので、僕でも学べる読み書きの教室に行く事にする。



 教室に入ると子供達でいっぱいで、空いている席に座り担当の人から紙と鉛筆という紙に色を付ける道具を貸して貰った。


 あいうえお表というのが壁に貼られていて、ひらかなと、かたかなという文字が書いてあるらしい。


「では自分の名前を書いてみましょう。名前を書けない者は手を上げて下さい」


「はい!」という声と共に沢山の手が上がり、僕も皆と同じようにして担当の人が来るまで待っていた。


「では君の名前を教えて下さい」


「デコです」


 僕は名前を言うと辺りがざわざわし出し、迷子の迷子のおちびちゃんと言う囁き声が聴こえて恥ずかしくなった。


 それと見られている鋭い視線を感じて隣の席を見ると、睨んでいるし明らかに僕を睨んで怒っている。


「貴様が…様を呼び出すなんて」


「デコの名前は、かたかなでデコと書きます。では書いてみて下さい」


「出来ました!」


「惜しいです。これではテコになってしまいます」


「ゔー」と声がする方を見ると、さっきまで睨んで怒っていたのが睨みながら笑ってる。


「出来ました!」


「惜しいです。これではデゴになってしまいます」


「ゔー」とまた声がして、また見ると睨みながら笑って涙目になってる。


「出来ました!」


「惜しいです。これではデロ「デコ!これが貴様の名前だ!」


 僕は素直に「教えてくれてありがとう」とお礼をしたのは自分の名前を書く事が出来たからだ。


 一緒に学べたらと思って名前を聞くと無視されてしまったが、その子の紙を見るとまだ分からない文字とイチゴの絵が描かれていた。


「君の名前はイチゴって言うの?」


 その子は、ばっと覆い被さって紙を隠し顔を伏せた。


 そんな時、休憩中だと言うドナが様子を見に来た。


「デコ頑張ってる?」


「ドナ見てこれ僕の名前」


「テコ、デゴ、デロ、デコ」


「凄いね全部読めるんだね」


「読み書きは学んだから分からない事があったら何でも聞いてね」


「でねドナこの子がイチゴ」


「友達でもないのに勝手に紹介するな」


「私はドナ宜しくね。イチゴ」


 イチゴは顔を上げてドナを見た瞬間に「ドナ?」と言ったかと思うと床に座り「ドナ様、宜しくお願いします」と頭を下げた。

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